愛犬同乗の際の知識・注意点

愛犬を車に慣れさせる練習方法と注意点

愛犬を車に慣れさせる練習方法と注意点

高須商店・イメージ

監修者細峰
監修者細峰
この記事はドッグトレーナーの細峰が監修しています。

こんにちは、高須商店の細峰です。

車のドアを開けたとたん、愛犬が四本の足で踏ん張って一歩も動かなくなる。

抱き上げて乗せた途端によだれがあふれ、走り出す前からハァハァと息が荒くなる。

そんな姿を見て、「うちの子は車が苦手なんだ」とあきらめかけている飼い主さんは、決して少なくありません。

けれど、動物病院への通院も、災害時の避難も、車が使えるかどうかで難易度は大きく変わります。

私はドッグトレーナーとして多くの車嫌いな犬と向き合ってきましたが、車を怖がるのは性格の問題でも、しつけの失敗でもありません

体のつくり、においや景色の刺激、そして過去の記憶。

この三つが重なって、車という空間が「危険な場所」として脳に刻まれてしまっているだけなんです。

だからこそ、順番を守ってひとつずつほどいていけば、車に対する嫌悪感は書き換えられます。

この記事では、犬が車を嫌がる理由から、今日の夜にでも始められる具体的な練習の手順、そして慣れてきた先で必要になる安全対策までを、お伝えしたいと思います。

それではよろしくお願いいたします。

ポイント

  • 犬が車を苦手になる体と心のしくみ
  • 見逃すと悪化する車酔いとストレスのサイン
  • クレートから短距離ドライブまでの練習手順
  • 安全に出かけるための固定方法と犬同乗表示

高須商店

犬が車を苦手になる主な原因

犬が車を苦手になる主な原因

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まずは、なぜ愛犬が車をあれほど嫌がるのかを整理しておきましょう。

原因が分からないまま練習を始めると、犬が本当につらいと感じている部分を素通りしてしまいます。

車嫌いの背景には、体の未熟さ、感覚への過剰な刺激、記憶の三つが絡んでいることがほとんどです。

三半規管の未発達と車酔い

犬の車酔いを語るうえで外せないのが、耳の奥にある平衡感覚の器官、三半規管の働きです。

車は加速し、減速し、カーブで体を横に振ります。

この不規則な揺れが体に伝わる一方で、窓の外では景色が猛スピードで流れていきます。

体が受け取る「揺れている」という情報と、目が受け取る「景色が動いている」という情報がかみ合わないと、脳は自分の位置を見失って混乱します。

その混乱が自律神経を刺激し、めまいや吐き気、嘔吐という形で表に出てくるんです。

とくに子犬は内耳の発達が途中のため、体のバランスを保つ力がまだ育ちきっていません。

わずかな揺れにも感覚が過敏に反応してしまうので、子犬期に車酔いを経験する子は本当に多いと感じています。

逆に言えば、成長とともに三半規管が育ち、刺激への適応力が備わることで、自然と酔わなくなるケースも珍しくありません。

年齢を重ねた犬では、揺れそのものへの反応が鈍くなり、若い頃より酔いにくくなることもあります。

酔いやすさには体格の大小はあまり関係せず、お酒に強い人と弱い人がいるのと同じように、個体差がとても大きい部分です。

現場での気づき

「うちの子は臆病だから車がダメなんです」と相談を受けることが多いのですが、実際に見せていただくと、性格ではなく揺れによる気持ち悪さが先に来ている子がかなりの割合を占めます。

体の反応が先で、怖い記憶は後からくっついてくる。

この順番を知っておくだけで、練習の組み立て方が変わりますよ。

車内のにおいと景色の刺激

犬の嗅覚は、人の数千倍から数万倍とも言われます。

その鼻を持った状態で車内に入ると、私たちが感じている世界とはまったく別の空間が広がっているんです。

ガソリンのにおい、排気ガス、エアコンの吹き出し口にたまったほこりっぽい空気。

そこへ人間用の芳香剤や消臭剤、以前車内で食べた食べ物の残り香までが混ざり合います。

人にとって心地よい香りが、犬にとっては鼻を突く強烈な刺激になっていることは、想像以上に多いと感じています。

それ自体が吐き気の引き金になることもあるので、車内の芳香剤は思いきって外してみる価値があります。

視覚の刺激も無視できません。

窓の外を流れる景色は、犬にとって動く物を追う本能を強く刺激します。

追いかけたいのに体は動かせないという状態が続けば、興奮と混乱がたまっていきます。

そこへ運転の仕方が加わります。

カーブが続く山道、発進と停止をくり返す街なかの道、急ブレーキや急発進は、どれも犬の姿勢を崩して酔いを強めます。

体が固定されず車内を自由に動ける状態ほど揺れをまともに受けてしまうため、環境を整えないままの乗車は、それだけで負担を大きくしてしまうんです。

過去の経験でできたトラウマ

気持ち悪さや不安が記憶と結びつくと、車嫌いは一段階深いところへ進みます。

過去に車の中で吐いてつらい思いをした犬、乗せられた先がいつも動物病院だった犬は、「車=痛いことや苦しいことが起きる場所」という結びつきを覚えてしまいます。

ここまで来ると、車が動き出す前から反応が始まります。

飼い主さんが車のキーを手に取った音。

玄関で靴を履く気配。

駐車場に近づいたときの、あの独特のにおい。

そうした小さな合図がすべて引き金になり、体が逃げる準備を始めてしまうんです。

心細さや不安は自律神経のバランスを崩すので、揺れがほとんどない状態でも吐いてしまうという悪循環にもつながります。

だからこそ、酔い止めを飲ませるだけでは足りません。

怖い記憶の上に、新しい楽しい記憶を重ねて塗り替えていく作業が必要になります。

見逃せない車酔いのサイン

見逃せない車酔いのサイン

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犬は「気持ち悪い」と言葉にできません。

代わりに、体の動きや表情で小さなサインを出し続けています。

この段階でこちらが気づけるかどうかが、トラウマを深くしないための分かれ道になります。

段階 主なサイン 犬の状態 おすすめの対応
1 あくび、鼻先をペロペロ舐める、床のにおいを嗅ぐ 軽い不安と緊張 換気と室温の確認、静かな声かけ
2 そわそわ動く、柵やリードを噛む、震え、クンクン鳴く ストレスの増大 早めに停車し、外の空気を吸わせる
3 激しいハァハァ、大量のよだれ、異常な呼吸音 強い吐き気と極度の緊張 すぐ停車、水分補給、その日の走行は中止
4 嘔吐、失禁、脱糞、ぐったりする 自律神経のコントロール喪失 体のケアと休養、獣医師へ相談

※症状の出方には個体差があり、上の内容はあくまで一般的な目安です。

あくびやよだれは初期サイン

眠くもないのに大きなあくびをくり返す。

鼻先をチロチロと素早く舐める。

この二つは、犬が自分を落ち着かせようとして出す代表的なサインです。

私たちが緊張した場面で深呼吸するのに近い動きだと考えてもらうと分かりやすいと思います。

ほかにも、瞳孔が開く、肉球にじっとりと汗をかく、背中の毛が逆立つといった変化が見られることがあります。

行動の面では、座ったり立ったりをくり返す、車内をうろうろする、床をしきりに嗅いだり舐めたりするといった様子が出てきます。

ケージの柵やリードを噛み始めたら、行き場のない気持ちを何かにぶつけているサインです。

よだれの量が増えてきたら、そこは吐き気がはっきり出てきた合図だと受け止めてください。

プロのトレーナーが見ているのは、犬が大暴れするずっと手前にある、この小さなささやきの部分です。

ささやきの段階で車を止め、外の空気を吸わせるだけで、その日の記憶は「怖かった」から「すぐ助けてもらえた」に変わります。

震えや嘔吐は限界のサイン

初期サインを見過ごすと、症状は体の危険信号へ進みます。

まず現れるのが、激しいハァハァという呼吸です。

本来これは体温を下げるための行動ですが、暑くもなく走ってもいない状況で舌を出して荒い呼吸をくり返しているなら、恐怖や緊張で自律神経が限界に近づいている状態を疑ってください。

寒くないのに小刻みに震える、クンクンと高い声で鳴き続けるといった行動も、強い葛藤の表れです。

ここを越えると、大量のよだれ、そして嘔吐へと進んでいきます。

最終的には恐怖のあまり失禁や脱糞に至ることもあり、こうなると犬の心には強い記憶が刻まれてしまいます。

短頭種はとくに注意

パグやフレンチブルドッグのような鼻の短い犬種は、のどや気道の構造上、ストレスによる荒い呼吸が息苦しさに直結しやすい傾向があります。

安静時からブーブー、グーグーといびきのような音が出ている場合や、呼吸にガーガーという摩擦音が混ざる場合は、車内でのハァハァを軽く見ないでください。

体重が増えている子はさらに気道が圧迫されやすいため、練習を始める前に、かかりつけの獣医師へ相談しておくと安心です。

犬を車に慣れさせる練習手順

犬を車に慣れさせる練習手順

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ここからが本題です。

車嫌いを克服するうえで最悪の方法は、嫌がる犬を無理やり乗せて長距離を走ることです。

怖い記憶がさらに濃くなり、次からは車に近づくことすらできなくなります。

私が現場で使うのは、犬が不安をほとんど感じない低いレベルから少しずつ刺激を上げていくやり方と、車と楽しいことを結びつけていくやり方の組み合わせです。

大切なのは順番と、次に進むタイミングの見極め。

それぞれの段階を、順を追って見ていきましょう。

クレートを安心の場所にする

車に乗せる前に、まず家の中でやっておきたいことがあります。

クレートを、愛犬にとっての「自分の部屋」にしておくことです。

犬はもともと、狭くて囲まれた場所で体を休める習性を持っています。

そのクレートごと車に運べば、見知らぬ空間の中に、いつもの安心できる場所を持ち込めるわけです。

やり方はむずかしくありません。

扉を開けたまま部屋の隅に置き、中でおやつを食べさせたり、お気に入りの毛布やおもちゃを入れたりして、自分から入りたくなる場所に育てていきます。

無理に押し込むのは逆効果なので、入ったら褒める、出たいときは自由に出られる、を徹底してください。

クレートの中でぐっすり眠れるようになったら、次の段階へ進む準備が整ったサインです。

体が大きくてクレートが車に収まらない子の場合は、いつも使っているベッドやタオルを車内へ持ち込むだけでも、においによる安心感が違ってきます。

停車したままの車内で過ごす

次は、エンジンを切ったままの車に乗る練習です。

クレートごと後部座席に置き、飼い主さんも一緒に車内で過ごします。

この段階でやることは、ただ座っているだけ。

それだけで十分なんです。

落ち着いていられたら、家では出さない特別なおやつをそっと与えます。

「この場所ではおいしいものが出てくる」という経験を重ねることで、車の意味が少しずつ書き換わっていきます。

ハァハァと息が荒くなったり、震えが出たりしたら、そこが今日のゴールです。

すぐに降ろして安心させるか、落ち着くまで静かに待ってから終わりにしてください。

ここで無理に長居させると、せっかく積み上げた分が崩れます。

最初は数十秒でも構いません。

ドアを開けたら自分から乗り込むようになったら、大きな前進です。

その段階では、エンジンをかけずに窓を少し開けておくと、こもったにおいが抜けて過ごしやすくなります。

エンジン音と振動に慣らす

車内でくつろげるようになったら、いよいよエンジンをかけます。

音と、シートから伝わる細かい振動。

この二つが、次に越える壁です。

最初はエンジンをかけて数秒で切ります。

落ち着いていられたら、しっかり褒めてその日は終わり。

物足りないくらいで切り上げるのが、遠回りに見えていちばんの近道です。

音に驚いて興奮してしまった場合は、慌てて止めずに、犬が自分から落ち着くのを待ちます。

そして静かになった瞬間にエンジンを切る

この順番が大事なんです。

騒いでいる最中に切ってしまうと、「騒げば嫌な音が止まる」と学習してしまいます。

落ち着いたら止まる、という形にしておけば、自分で気持ちを立て直す力が育っていきます。

数秒が数十秒になり、やがて数分になったら、次の段階へ進みましょう。

5分の短距離ドライブから

ここでようやく、車が動きます。

最初の目標は、家の周りをぐるりと回って戻ってくるだけの、5分から10分ほどの走行です。

短すぎると感じるくらいで、ちょうどいいと思ってください。

そしてもうひとつ、行き先の選び方が結果を大きく左右します。

車に乗った先がいつも動物病院なら、犬は「車=嫌なことの前ぶれ」と学習します。

練習の時期は、大好きな公園や広場など、降りた瞬間にうれしくなる場所だけを目的地にしてください

着いたら思いきり遊ばせて、車が楽しい場所への入り口だと体で覚えてもらいます。

参考までに、初めてのドライブを成功させるための時間の組み立て方を挙げておきます。

時刻 やること ねらい
7:00 いつもより少なめの食事を済ませる 胃の中を軽くして吐き気を減らす
9:45 車内を適温にし、散歩で排泄を済ませてクレートへ 体をすっきりさせ、暑さも防ぐ
10:00 出発。騒いでも反応せず、落ち着いた瞬間だけ褒める 落ち着く行動を強める
11:00 休憩。外の空気を吸わせ、水を飲ませる 初回は早めに区切って安心させる

※時間の配分は一般的な目安です。愛犬の様子を見ながら、短くする方向で調整してください。

乗せる前の準備とNG行動

乗せる前の準備とNG行動

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練習の中身と同じくらい、乗せる前のコンディション作りが結果を左右します。

そして、犬が不安を見せたときの飼い主さんの反応も、実は大きな意味を持っています。

ここでは出発前に整えておきたいことと、ついやってしまいがちな対応について整理します。

出発前に整えたい体の状態

おなかがいっぱいの状態も、空っぽの状態も、どちらも吐き気を招きやすくなります。

食事は遅くとも出発の2〜3時間前までに済ませ、量は腹八分目に抑えておきましょう。

残りは目的地に着いてから与えれば十分です。

脱水を防ぐため、水を飲みたがるときは自由に飲ませてあげてください。

出発の直前に軽く散歩をして排泄を済ませておくと、体がすっきりするうえ、ほどよい疲れから車内で眠りやすくなります。

車内の温度も忘れずに。

後部座席やラゲッジスペースはエアコンの風が届きにくく、夏場は熱がこもります。

乗せる前にエンジンをかけて空気を入れ替え、サンシェードで直射日光を遮っておくと安心です。

やってはいけない声かけと対応

車内で愛犬が鳴いたり暴れたりすると、思わず大きな声で叱ってしまう。

あるいは「大丈夫だよ、怖くないよ」と何度も抱きしめてなだめてしまう。

どちらも気持ちはよく分かるのですが、犬の側から見ると別の意味に受け取られます。

叱れば、車という場所に嫌な記憶が上乗せされます。

過剰になだめれば、「飼い主さんも慌てている、やっぱりここは危険だ」と確信させてしまうか、「騒げば構ってもらえる」と覚えさせてしまうんです。

後者は、日常生活で要求吠えが増える原因にもなります。

騒いでいる間は、あえて反応しない。

そして自分から伏せて静かになった瞬間や、窓の外の人に反応しなかった瞬間に、穏やかな声で褒める。

この切り替えを徹底するだけで、車内での過ごし方はかなり変わります。

避けたい対応まとめ

嫌がる犬を抱え上げて無理やり乗せる。

初日からいきなり高速道路や長距離を走る。

吐いてしまった犬を叱る、あるいは大声で騒ぐ。

膝の上に乗せたまま運転する、窓から顔を出させる。

どれも、犬の心と体を確実に遠ざける行動です。

車酔いがひどい時の対処法

手順どおり進めても、体質的に揺れへ敏感な子や、過去の記憶が強く残っている子はいます。

そんなときに、気合いや根性で乗り切ろうとする必要はまったくありません。

今は獣医療の選択肢が広がっていて、薬や道具の力を借りながら成功体験を積む方が、結果的に近道になることが多いんです。

動物病院で相談できる酔い止め

現在の獣医療で車酔い対策の中心になっているのが、マロピタントという成分を使った吐き気止めです。

セレニアやマロピタットといった名前で処方されることが多く、脳にある嘔吐の司令塔に直接働きかけて、吐き気の信号を強く抑える仕組みを持っています。

以前の酔い止めで気になっていた、飲ませたあとにぼんやりしてしまう、旅先で寝てばかりになるといった影響が少ない点も、大きな利点だと感じています。

生後4ヶ月を過ぎた頃から使えるとされていて、小さな犬でも飲ませやすい形の錠剤や、犬の好む味をつけたタイプも登場しています。

「車に乗ったのに気持ち悪くならなかった」という経験は、それだけでトラウマを薄めてくれます。

薬で土台を作り、その上に練習を重ねる。

この組み合わせが、いちばん犬にやさしい進め方だと考えています。

目的 投与量の目安 タイミング
一般的な嘔吐の予防 体重1kgあたり2mg 1日1回、予防目的は1時間前まで
乗り物酔いによる嘔吐の予防 体重1kgあたり8mg 移動の1時間前まで、1日1回

必ず守ってほしいこと

上の数値はあくまで一般的な目安であり、体重や体調、持病の有無によって適切な量や使えるかどうかは変わります。

処方が必要な薬なので、必ず動物病院で診察を受けたうえで指示に従ってください。

人間用の酔い止めや市販薬を自己判断で与えることは、重い副作用につながる恐れがあるため絶対に避けましょう。

最終的な判断は、かかりつけの獣医師にご相談ください。

においと圧で不安をやわらげる方法

吐き気を抑える薬は体の症状にはよく効きますが、不安そのものを消してくれるわけではありません。

そこで併せて使いたいのが、リラックスを助ける道具です。

ひとつは、母犬が子犬に対して出す安心のにおいを再現したフェロモン製品。

スプレーや首輪、据え置き型などがあり、車内でのパニックを鎮める助けになると言われています。

ある調査では、こうしたにおいによる方法で効果を感じた飼い主さんはおよそ3割にのぼりました。

もうひとつが、体を適度に締めつける専用の服です。

赤ちゃんをおくるみで包むと落ち着くのと同じ理屈で、持続的な圧が神経を静めてくれます。

圧をかける方法については、4割を超える人が効果的だったと答えた調査結果もあります。

ただし夏場は熱がこもりやすく、服を着ること自体を嫌がる子もいるため、家で慣らしてから使うのが前提です。

どれも単独で劇的に効くものではありませんが、クレート練習や短距離ドライブと組み合わせることで、支えとして働いてくれます。

安全グッズと犬同乗表示を準備

車に乗れるようになってきたら、次に整えるのは安全面です。

実は日本の法律では、犬は荷物と同じ「積載物」として扱われます。

そのため車内で自由に動き回れる状態は、安全運転義務の面から問題になる可能性があります。

楽しいお出かけを続けるためにも、ここは押さえておきましょう。

クレートとハーネスで体を守る

いちばん安全なのは、体に合ったサイズのクレートを後部座席かラゲッジスペースにしっかり固定する方法です。

固定されていない犬は、衝突や急ブレーキのときに車内を飛んでしまい、大きなけがにつながります。

シートベルトを通す、専用のベルトで留めるなどして、揺れても動かない状態を作ってください。

クレートは揺れを受けにくく、流れる景色も遮ってくれるので、車酔い対策としても理にかなっています。

体が大きくてクレートが入らない場合は、犬用の車載ハーネスをシートベルトのバックルにつなぐ方法が次善の策になります。

このとき、首輪に直接つなぐことだけは避けてください

急ブレーキで首が締まり、首の骨を痛める恐れがあります。

助手席の使用も、できるだけ避けたいところです。

エアバッグが開いたときの力は想像以上に強く、犬が挟まれる事故も報告されています。

法律面や具体的な固定方法については、違反になる犬の車の乗せ方に注意!安全な方法と法律解説でくわしくまとめています。

行為 関係する規定 普通車の場合の目安
膝の上に乗せて運転する 安全運転義務違反 違反点数2点、反則金9,000円
車内で固定せず自由にさせる 乗車積載方法違反など 取り締まりの対象になる場合あり

※内容は変わることがあります。正確な情報は警察庁など公式の案内をご確認ください。

犬が乗っていることを周りに伝える

安全対策として意外と見落とされがちなのが、周りの車への合図です。

車嫌いの練習中は、カーブをゆっくり曲がったり、こまめに停まって休憩したりと、どうしても走り方が慎重になります。

後ろの車から見ると、その理由は分かりません。

「犬が乗っています」と伝えるマグネットやステッカーを貼っておくだけで、ゆっくり走る理由が伝わり、無理な追い越しやあおられる不安がぐっと減ります。

もしもの事故のとき、車内に犬がいることを救助する人へ知らせる役割も果たしてくれます。

高須商店でも、後続車へ落ち着いた運転をお願いしやすくなるドラレコ録画中マグネットステッカーを用意しています。

貼り替えられるマグネットタイプなら、洗車のときも気軽に外せます。

高須商店

ポイント

練習中のドライブは、いつもの半分くらいのスピードで走るつもりでちょうどいいです。

カーブの手前でしっかり減速するだけで、犬の体にかかる負担は驚くほど減ります。

ただ、慎重な運転は周りに伝わりにくいもの。

表示をひとつ貼っておくだけで、飼い主さん自身の気持ちにも余裕が生まれますよ。

犬を車に慣れさせる方法に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 車嫌いの克服には、どのくらいの期間がかかりますか?

A. 犬の性格やこれまでの経験によって大きく変わるため、はっきりした期間はお伝えできません。過去に強い恐怖を経験していない子なら数週間で短いドライブができるようになることもありますし、嘔吐のつらい記憶がある子では数ヶ月単位で見ておく方が安心です。焦って段階を飛ばすと元に戻ってしまうので、前回できたことを軽々とこなせるようになってから次へ進むくらいの気持ちで取り組んでみてください。

Q2. 子犬のうちから車に乗せても大丈夫でしょうか?

A. いろいろな刺激を受け入れやすい時期に短い乗車を経験しておくことは、後々とても役立ちます。ただし子犬は内耳の発達が途中で酔いやすいため、走行時間はごく短く区切ってください。ワクチンの接種状況によって外に出せる時期も変わりますので、開始のタイミングはかかりつけの獣医師に確認しておくと安心です。

Q3. ドライブ中に吐いてしまったら、どう対応すればいいですか?

A. まず安全な場所に停車し、静かに片づけてください。大きな声を出したり叱ったりすると、車の記憶がさらに悪くなってしまいます。外の空気を吸わせ、少量ずつ水を飲ませて落ち着かせましょう。その日はそれ以上走らせず帰宅するのが基本です。吐く回数が多い、ぐったりしている、血が混じるといった様子があれば、車酔い以外の病気が隠れていることもあるため、早めに動物病院を受診してください。

Q4. 窓を開けて風に当てると、車酔いはよくなりますか?

A. 換気そのものは有効です。こもったにおいが抜けることで、気持ち悪さがやわらぐ子は多くいます。ただし顔を出せるほど大きく開けるのは危険です。すれ違う車との接触や、飛び出し、窓の開閉ボタンを踏んでしまう事故につながります。犬の顔が出ない程度に少しだけ開けるか、エアコンの外気導入を使って空気を入れ替える方法をおすすめします。

Q5. 待っている間だけなら、車内で留守番させてもいいですか?

A. エンジンを止めた車内は、日陰であってもごく短時間で50度近くまで上がることがあります。熱中症の危険が非常に高く、季節を問わず避けていただきたい行動です。買い物などで車を離れる必要があるときは、愛犬を連れて出るか、留守番は自宅でしてもらう形にしてください。

まとめ

車を嫌がるのは、愛犬のわがままではありません。

体のつくり、鋭すぎる鼻、そして過去の記憶が重なって生まれる、精いっぱいのSOSです。

だからこそ、無理に長距離へ連れ出すより、短い時間で「怖くなかった」を積み重ねる方が、確実に前へ進みます。

最後に、今日から意識したいことを整理しておきます。

  • あくびやよだれなど、小さなサインの段階で車を止める
  • クレートを安心できる場所に育ててから車に持ち込む
  • エンジンを切った状態から始め、音、振動、短い走行へ進む
  • 行き先は楽しい場所を選び、病院ばかりにしない
  • 騒いでも反応せず、落ち着いた瞬間だけ褒める
  • 症状が重いときは獣医師に相談し、薬や道具の力を借りる
  • クレートやハーネスで固定し、犬同乗の表示で周りに伝える

はじめは駐車場でおやつを食べるだけ。

それでも立派な一歩です。

その小さな積み重ねの先に、窓の外を眺めながら穏やかに揺られる愛犬の姿が待っています。

安全な準備を整えて、いっしょに出かけられる場所を少しずつ増やしていきましょう。

あおり運転や迷惑運転の被害から身を守るためのお守り

最後に、私たち高須商店からひとつ提案をさせてください。

私たち高須商店は、交通事故による事故被害をなくしたい思いから始まりました。

大切な人が迷惑運転の被害者になってしまったのがきっかけです。

私たちが暮らす地域は田舎なので車が無いと何かと不便になる場所で、車に乗っていると色々なことが起こります。

これは今に始まったことではありませんが、こちらをあおるように走る後続車に遭遇してしまうこともあります。

そんなことを起こさせないための対策の一つとしてこのマグネットステッカーを紹介させてください。

後続車へ『ドライブレコーダーを搭載しています』というメッセージを伝えることで、あおり運転や迷惑運転の被害を未然に防ぐことが狙いです。

実際にドライブレコーダーが付いていなくても、このマグネットステッカーを貼っておくことで、被害を防ぐ効果は十分期待できます。

また、クリップ付きの吸盤が付属しているので、車内後方の内窓にも設置できます。イタズラや盗難防止にもなるのでオススメです。

高須商店

マグネットタイプの他に、ステッカータイプもあります。

ステッカータイプは窓に貼ることを想定して製作したので、メッセージボードがグレーになっています。

ステッカータイプも耐水耐候のアウトドア対応で、屋外でも使用可能です。

高須商店

■  高須商店 Amazonストア

■  高須商店 BASEストア

■  高須商店 Creemaストア

■  高須商店メルカリストア

上記のウェブストアにてご購入いただけます。

興味がある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

監修者細峰
監修者細峰
最後までお読みいただきありがとうございました。

このサイトの監修者について

ここでお伝えした内容は、あくまで一般的な目安です。

愛犬の体調や性格によって最適な進め方は変わりますので、気になる症状があるときは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

-愛犬同乗の際の知識・注意点