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こんにちは。高須商店の「細峰」です。
スリムで引き締まった体が魅力的なミニチュアピンシャーですが、一緒に暮らしていると、ふとした時の足の運びや皮膚の状態が気になってしまうこともありますよね。
ミニチュアピンシャーの病気について調べていると、パテラや骨折といった怪我の話から、寿命に関わる内科的なトラブルまで、いろいろな情報が出てきて不安になってしまうかもしれません。
今回は、この犬種が健やかに過ごすために知っておきたい健康管理のコツや、気になる症状、予防策などを詳しくまとめてみました。
この記事を読むことで、愛犬との楽しい毎日を一日でも長く守るためのヒントが見つかればとても嬉しいです。
ポイント
- ミニチュアピンシャーに多い膝の脱臼(パテラ)や足のトラブルのサイン
- デリケートな皮膚を守るための日常的なスキンケアと注意すべき疾患
- 心臓や代謝機能など、加齢とともにリスクが高まる内科的な病気
- 寒さに弱いミニピンが冬を元気に乗り切るための具体的な防寒管理

ミニチュアピンシャーの病気と骨格の注意点
「トイ・グループの王様」と称えられるミニチュアピンシャーは、その見た目通りとてもエネルギッシュで勇敢な性格をしています。
ただ、その活発すぎる動きに対して、手足の骨格は驚くほど細く繊細にできているのですね。
まずは、この犬種が特に気をつけたい整形外科的なトラブルについて、詳しく説明していきましょう。
パテラや膝蓋骨脱臼で足を引きずる症状

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ミニチュアピンシャーの飼い主さんが最も直面しやすいトラブルの一つが、膝蓋骨脱臼(パテラ)です。
これは後ろ足の膝にあるお皿(膝蓋骨)が、本来収まるべき溝から外れてしまう状態を指します。
ミニピンは先天的にこの溝が浅い個体が多く、成長とともに症状が顕著になるケースが少なくありません。
初期サインと見極めのポイント
お散歩の途中で、突然スキップをするような仕草を見せたり、後ろ足を後ろにピンと伸ばす動作をしたりすることはありませんか?
これは外れた膝のお皿を自分ではめ直そうとしているサインかもしれません。
進行すると、足を地面につかずに浮かせて歩く「挙上」という状態になってしまいます。
パテラの重症度(グレード)と一般的な目安:
| グレード | 状態の目安 | 主な症状 |
|---|---|---|
| グレード1 | 指で押すと外れるが、離すと自然に戻る。 | ほとんど無症状で、偶然見つかることが多い。 |
| グレード2 | 日常の動作で外れることがあるが、足を伸ばすと戻る。 | 時々スキップのような歩き方をする。 |
| グレード3 | 常に外れた状態で、指で戻してもすぐにまた外れる。 | 足を曲げて歩く、散歩を嫌がるといった症状。 |
| グレード4 | 常に外れた状態で、指で戻すこともできない。 | 骨の変形が進み、うずくまるような姿勢で歩く。 |
放っておくと、膝の関節が不安定な状態が続くため、前十字靭帯断裂や変形性関節症を併発してしまうリスクが高まります。
以前に比べて歩き方がおかしいと感じたら、早めに専門の先生に相談することが大切ですね。
成長期の跛行に注意したいレッグペルテス病
生後3ヶ月から1年くらいの成長期に見落としたくないのが、レッグペルテス病(大腿骨頭壊死症)です。
これは、太ももの骨の先端部分(大腿骨頭)への血流が何らかの原因で遮断され、骨組織が死んでしまう病気です。
ミニチュアピンシャーは、この病気の好発犬種としても知られています。
痛みによる行動の変化
初期は「なんとなく後ろ足をかばっているかな?」という程度の軽い跛行から始まりますが、骨の壊死が進むと激しい痛みを感じるようになります。
足に触られるのを極端に嫌がったり、昨日まで元気だったのに急に歩きたがらなくなったりしたときは要注意です。
放置すると筋肉が衰えて足が細くなってしまうため、迅速な対応が必要になります。
外科的な手術が第一選択となることが多く、適切な処置によって痛みのない生活を取り戻せることがほとんどですので、悲観しすぎないでくださいね。
細い前肢を骨折から守る室内環境の作り方

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ミニチュアピンシャーの前足(橈骨・尺骨)は、まるで小枝のように細いです。
筋肉や脂肪の被覆も少ないため、日常生活の中のほんの些細な衝撃で骨折してしまうことがとても多いのですね。
私が見てきたケースでも、ソファからの飛び降りや、抱っこしている腕からの落下など、意外な場面で事故が起きています。
骨折を防ぐための具体的な対策
特に子犬の時期や骨密度が低くなる高齢期は、「環境を整えること」が何よりの予防になります。
フローリングには滑り止めのカーペットやマットを敷き詰め、段差がある場所には犬用のスロープを設置してあげましょう。
また、玄関先などでの飛び出しを防ぐフェンスの設置も有効です。
もし万が一折れてしまった場合、小型犬は骨がくっつきにくい(癒合不全)性質があるため、専門性の高い外科手術が必要になり、入院や通院の費用も高額になりやすい傾向にあります。
震える原因にもなる椎間板ヘルニアのリスク
体を激しく動かすミニピンにとって、背骨への負担も無視できません。
急に元気がなくなり、背中を丸めてブルブルと震えていたり、抱っこしようとすると鳴いたりする場合は、椎間板ヘルニアを起こしている可能性があります。
背骨を守る生活の工夫
二本足で立つ「ちょうだい」のポーズや、階段の昇り降りは腰に大きな負担をかけます。
可愛い仕草ですが、できるだけ控えさせるようにしましょう。
重症化して足が麻痺してしまうと、排泄が自分では困難になるなど生活の質が大きく低下してしまいます。
異変を感じたら、安静を保ちつつ、すぐに動物病院を受診することが鉄則です。
ミニチュアピンシャーはとても我慢強い一面があり、痛みを隠して元気に振る舞ってしまうことがあります。
飼い主さんが「何か変だぞ」と気づいてあげることが、深刻な事態を防ぐ最大の防御策になるのですね。
皮膚の膿皮症を予防する低刺激シャンプー

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ミニチュアピンシャーは短毛のシングルコートで皮膚が非常に薄いため、バリア機能が低下しやすいデリケートな一面を持っています。
特になりやすいのが、皮膚の常在菌が増殖して炎症を起こす膿皮症です。
ポツポツとした赤い湿疹や、リング状のフケ(表皮小環)が見られたら、皮膚のバリアが壊れている証拠かもしれません。
正しいスキンケアのポイント
お散歩後の足拭きをウェットティッシュで強く擦りすぎていませんか?
摩擦は皮膚を傷つける原因になります。
、シャンプーの頻度が高すぎたり、すすぎ残しがあったりするのも逆効果です。
獣医師さんに相談の上、殺菌効果のある薬用シャンプーや、低刺激な保湿剤を取り入れることで、健やかな皮膚の状態を維持してあげましょう。
ブルーの毛色に多い淡色被毛脱毛症の対策
ミニチュアピンシャーの中には、「ブルー」や「イザベラ」と呼ばれるとても美しい、少しグレーがかった珍しい毛色の子がいます。
これらの毛色を持つ子に遺伝的に発生しやすいのが、淡色被毛脱毛症(カラー・ディリュージョン・アロペシア)です。
上手な付き合い方
生後半年を過ぎたあたりから、背中の毛が薄くなり、地肌が見えてくることがあります。
この病気自体が命に関わることはありませんが、毛がなくなることで皮膚が直接ダメージを受けやすくなり、二次的な皮膚炎を引き起こしやすくなってしまいます。
日光を遮るための薄手の洋服や、皮膚の乾燥を防ぐためのケアを日常的に取り入れることが、この病気とうまく付き合っていくコツになります。
ミニチュアピンシャーを病気から守る生活習慣

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骨格や皮膚のケアと並んで大切なのが、内臓の健康管理です。
ミニチュアピンシャーは寿命が12〜15年と言われていますが、シニア期に入ると人間と同じように生活習慣病のリスクが出てきます。
日々の食事や環境作りで、大きな病気を未然に防いでいきましょう。
心臓に負荷がかかる肺動脈狭窄症の初期症状
ミニチュアピンシャーは、生まれつき心臓の出口が狭くなっている肺動脈狭窄症という先天性疾患が見られることがあります
。軽度の場合は無症状のまま一生を終えることもありますが、重度の場合は心臓に大きな負担がかかり、深刻な事態を招くことがあります。
見逃せない体調の変化
「以前に比べてお散歩で歩く距離が短くなった」「少し動いただけでハァハァと息が荒くなる」「舌が紫色になる(チアノーゼ)」といった症状は、心臓からの危険信号かもしれません。
定期的な健康診断で心音を確認してもらい、必要であれば超音波検査を受けるようにしましょう。
また、歯周病菌が血流に乗って心臓に悪影響を与えることもあるため、デンタルケアも心臓を守ることにつながります。
心臓病などの内科疾患は、目に見える症状が出る頃には進行していることが多いです。
年に一度(7歳を過ぎたら半年に一度)の血液検査やレントゲン検査を含む「ドッグドック」の受診をおすすめします。
寿命に関わる糖尿病を予防する適切な食事

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食欲旺盛なミニピンですが、ついつい欲しがるままにおやつをあげてしまうと、肥満から糖尿病を引き起こしてしまうリスクがあります。
糖尿病は、膵臓から出るインスリンというホルモンがうまく働かなくなり、血中の糖分が高くなってしまう病気です。
多飲多尿は重要なチェック項目
「お水を飲む量が急に増えた」「おしっこの回数や量が増えた」というのは、糖尿病の典型的なサインです。
食べているのに痩せていく場合も注意が必要ですね。
糖尿病が進行すると、合併症として白内障を併発し、急激に目が見えなくなってしまうこともあります。
バランスの良い食事と適度な運動を心がけ、理想的な体重を維持することが、何よりの予防策になります。
白内障や進行性網膜萎縮症など目のケア
大きくて輝くような目はミニピンのチャームポイントですが、遺伝的に網膜が徐々に委縮して失明に至る進行性網膜萎縮症(PRA)には注意が必要です。
この病気は痛みがないため気づきにくいのですが、暗い場所で動きが鈍くなったり、夜のお散歩を怖がったりするようになったら初期の兆候かもしれません。
加齢による白内障との違い
シニア期に入ると、目が白く濁る白内障も増えてきます。
白内障は水晶体が濁る病気で、視界が遮られてしまいます。
どちらも早期に発見することで、進行を遅らせるサプリメントや、目が見えにくくなった後の環境づくり(家具の配置を変えない等)の準備ができるようになります。
定期的に瞳の状態を観察して、濁りや光の反射におかしなところがないか見てあげてくださいね。
寒さに弱いミニピンのための冬の防寒対策

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ミニチュアピンシャーの健康管理で、冬の寒さ対策は絶対に欠かせません。
脂肪が少なく毛も短いため、一度体が冷えてしまうと体温を戻すのが大変なのですね。
特に子犬は寒さによるストレスから低血糖症を起こし、意識を失ってしまうなどの危険な状態に陥ることがあります。
室内外での具体的な防寒法
冬の室温は25度前後を目安にし、湿度が低くなりすぎないよう加湿器も活用しましょう。
お散歩の際は、保温性の高い冬用の洋服を着せるのが基本です。
また、ミニピン特有の「薄い耳」は凍傷になりやすいため、冷え込みが激しい日はスヌードで耳までカバーしてあげると安心です。
冬場は関節の痛みも出やすい時期ですので、暖かい場所でゆっくり休める環境を整えてあげましょう。
(出典:一般社団法人 ペットフード協会『令和7年 全国犬猫飼育実態調査』)
ミニチュアピンシャーの病気に関する知識のまとめ
ここまで、ミニチュアピンシャーが特になりやすい病気や、日々の健康管理について詳しく見てきました。
勇敢でタフに見えるミニピンも、骨格や皮膚、内臓の機能など、その小さな体の中にはケアしてあげたいポイントがたくさん詰まっているのですね。
特にパテラや骨折といった足の怪我は、日頃の環境づくりでリスクを大幅に下げることができます。
また、糖尿病や心臓疾患は、早期発見が寿命を左右します。
毎日一緒に過ごしているあなただからこそ気づける「ちょっとした変化」が、愛犬を救う大きな一歩になるはずです。
もし何か気になることがあれば、自分で判断せずに、まずはかかりつけの動物病院で先生に診てもらってくださいね。
正確な知識を持ち、愛情を持って寄り添うことで、ミニチュアピンシャーとの生活はもっと豊かで素晴らしいものになっていくと、私は信じています。
