犬の遠吠えが悲しそうな理由とは?原因と対策を解説

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犬の遠吠えが悲しそうな理由とは?原因と対策を解説

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愛犬が突然、悲しそうな声で遠吠えを始めたら、飼い主さんとしては「どうしたんだろう?」と心配になりますよね。

その鳴き声には、犬の本能や心理が深く関わっており、嬉しいサインであることもあれば、寂しい気持ちの表れである場合もあります。

特に、急に遠吠えするようになったり、夜中に突然鳴き出したりすると、何か原因があるのではないかと不安になるでしょう。

また、留守番中や救急車のサイレンが聞こえた時になぜ遠吠えするのか、老犬特有の理由はないのか、といった疑問も尽きないはずです。

この記事では、「犬の遠吠えが悲しそう」と感じている飼い主さんのために、考えられる原因から具体的な対策、知っておきたい注意点までを詳しく解説します。

愛犬の気持ちを理解し、適切に対応するためのヒントがきっと見つかるはずです。

監修者細峰
監修者細峰
この記事はドッグトレーナーの細峰が監修しています。

ポイント

  • 犬が遠吠えする本能的な理由や心理状態がわかる
  • 状況別の遠吠えの原因と意味を理解できる
  • 老犬や急な遠吠えに関する注意点が明確になる
  • 今日から実践できる具体的な対策方法が身につく

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犬の遠吠えが悲しそうな理由とは?本能や心理を解説

犬の遠吠えが悲しそうな理由とは?本能や心理を解説

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犬の遠吠えに隠された本能と心理

犬の遠吠えは、その祖先であるオオカミから受け継いだ、本能的なコミュニケーション手段です。

オオカミが群れの仲間と連絡を取り合ったり、縄張りを主張したりするために遠吠えをするように、犬にも同様の心理が働いています。

主な理由としては、遠くにいる仲間(飼い主や他の犬)に自分の居場所を知らせるためや、自分のテリトリーに近づく他の犬への警告などが挙げられます。

一頭が遠吠えを始めると、近所の犬たちが一斉にそれに呼応することがありますが、これもお互いの存在を確認し合い、コミュニケーションを取っているのです。

このように、遠吠えは犬にとってごく自然な行動であり、必ずしも悲しい、あるいはネガティブな感情から来るものだけではありません。

まずは、この行動が犬本来の習性であることを理解することが大切です。

豆知識:オオカミと犬の遠吠えの共通点

研究によると、オオカミの遠吠えは数キロ先まで届き、仲間との絆を維持するために重要な役割を果たしているとされています。

ペットとして暮らす犬たちも、飼い主さんや家族を「群れの仲間」と認識しており、彼らとの絆を確認するために遠吠えをすることがあると考えられています。

寂しい気持ちを伝えるための遠吠え

寂しい気持ちを伝えるための遠吠え

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犬が悲しそうに遠吠えをする場合、その背景には「寂しい」という気持ちが隠れている可能性が高いです。

犬はもともと群れで生活する動物であり、仲間と離れて一匹でいる状況に強い不安やストレスを感じることがあります。

特に、飼い主さんの姿が見えなくなった時や、家の中に一匹でいる時に「クゥーン」という鼻を鳴らすような声に続いて遠吠えが始まるのは、仲間を呼ぶための行動と考えられます。

これは飼い主さんへの依存度が高い犬や、分離不安の傾向がある犬によく見られるサインです。

もし愛犬があなたの後をついて回ったり、少しでも姿が見えないと不安そうに鳴いたりする場合は、寂しさからくる遠吠えの可能性を考慮する必要があるでしょう。

分離不安症の可能性

単なる寂しがり屋のレベルを超え、飼い主と離れることでパニック状態に陥り、遠吠え以外にも破壊行動や粗相、自傷行為などが見られる場合は「分離不安症」という心の病気も疑われます。

この場合、専門家による診断や治療が必要になることもあるため、行動がエスカレートする前に獣医師に相談することをおすすめします。

(参照:公益社団法人日本動物病院協会

嬉しい時にも遠吠えすることがある

遠吠えというと、物悲しいイメージがありますが、実は嬉しい時や興奮した時にも見られる行動です。

例えば、飼い主さんが仕事から帰ってきた時に、しっぽを振りながら喜びの表現として遠吠えをすることがあります。

これは「おかえり!会いたかったよ!」という気持ちの高ぶりを声に出して伝えているのです。

また、飼い主さんが歌を歌っていたり、楽器を演奏していたりすると、それに合わせて「合唱」するように遠吠えする犬もいます。

これは、飼い主さんとの一体感を楽しんでいる証拠であり、ポジティブなコミュニケーションの一環と言えるでしょう。

このように、遠吠えがどのような状況で、どんなボディランゲージと共に行われているかを観察することで、その裏にある感情をより正確に読み取ることができます。

悲しそうな声色だけで判断せず、犬の全身の様子をよく見てあげてください。

留守番中に見られる遠吠えのサイン

留守番中に見られる遠吠えのサイン

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前述の通り、留守番中の遠吠えは、寂しさや分離不安が大きな原因として考えられます。

飼い主という群れのリーダーがいなくなり、一匹で縄張りを守らなければならない状況に、犬は大きなプレッシャーを感じることがあります。

しかし、原因はそれだけではありません。

留守番中は家の中が静かになるため、普段は気にならない外の物音(他の犬の鳴き声、工事の音、遠くのサイレンなど)に敏感になり、それに反応して遠吠えしている可能性もあります。

これは、縄張りを守ろうとする警戒心や、他の犬とのコミュニケーション欲求からくる行動です。

さらに、単純に退屈で手持ち無沙汰になり、気を紛らわせるためや、飼い主さんに「早く帰ってきて!」と知らせるために遠吠えをすることもあります。

留守番中の様子をペットカメラなどで確認してみると、原因を特定する手がかりが見つかるかもしれません。

救急車のサイレンになぜ反応する?

救急車やパトカーのサイレンが聞こえると、つられるように遠吠えを始める犬は少なくありません。

これには、犬の優れた聴覚と本能が関係しています。

その理由は、サイレンの持つ特定の周波数が、犬の遠吠えの周波数と非常に似ているためです。

犬はサイレンの音を「遠くにいる仲間の遠吠え」と勘違いし、本能的に「ここにいるよ!」と返事をしていると考えられています。

これは、一種の条件反射のようなもので、特に犬自身が苦痛や不安を感じているわけではないケースがほとんどです。

サイレンへの反応は本能的な行動

救急車のサイレンに反応する遠吠えは、多くの犬に見られるごく自然な行動です。

病的なサインや問題行動というわけではないので、過度に心配する必要はありません。

ただし、あまりに頻繁で近所迷惑が心配な場合は、後述する対策を試してみると良いでしょう。

犬の遠吠えが悲しそうな場合の具体的な対策

犬の遠吠えが悲しそうな場合の具体的な対策

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急に遠吠えするようになった原因は?

今まで遠吠えをしなかった愛犬が急にするようになった場合、何らかの変化が起きているサインかもしれません。

考えられる原因は多岐にわたりますが、主に以下の点が挙げられます。

環境の変化によるストレス

引っ越し、家族構成の変化(新しいペットや赤ちゃんの誕生)、飼い主さんの生活リズムの変更などは、犬にとって大きなストレスとなり得ます。

環境への不安感から、心の安定を求めて遠吠えを始めることがあります。

身体的な苦痛や不調

最も注意したいのが、病気や怪我による痛みが原因であるケースです。

犬は痛みを我慢する傾向がありますが、耐えきれない苦痛を飼い主さんに知らせようとして、悲痛な声で鳴くことがあります。

どこかを痛そうにしている、食欲がない、元気がないなどの他の症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診してください。

発情期の影響

去勢・避妊手術をしていない犬の場合、発情期になるとホルモンバランスの変化から情緒が不安定になり、遠吠えをしやすくなることがあります。

特にオスは、遠くにいるメスの匂いや声に反応して鳴くことがあります。

夜中に突然遠吠えする時の心理状況

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夜中に突然遠吠えをされると、飼い主さんも驚き、近所への迷惑も気になりますよね。

夜中の遠吠えには、日中とは異なる心理状況が関係していることがあります。

一つは、日中の運動や刺激が不足しているケースです。

有り余ったエネルギーを発散できず、退屈しのぎやストレス解消のために夜中に吠えてしまうのです。

また、夜は周囲が静まり返るため、些細な物音にも敏感に反応しやすくなります。

もう一つ考えられるのが、認知症の初期症状です。

特にシニア犬の場合、昼夜が逆転したり、理由なく不安にかられて夜鳴き(遠吠え)をしたりすることがあります。

もし愛犬が高齢であれば、この可能性も視野に入れておく必要があります。

老犬の遠吠えに特有の理由とは?

シニア期に入った老犬の遠吠えには、若い頃とは異なる特有の理由が考えられます。

加齢に伴う心身の変化が、行動に大きく影響してくるのです。

認知機能の低下(認知症)

老犬の遠吠えで最も代表的な原因が認知症です。

人間と同様に、犬も認知機能が低下すると、自分がどこにいるのか分からなくなったり、昼夜の感覚が曖昧になったりします。

こうした混乱や不安から、夜中や明け方に大きな声で遠吠えを続ける「夜鳴き」という症状が現れることがあります。

身体機能の衰えによる不安

視力や聴力が衰えることも、遠吠えの一因です。

目が見えにくくなったり、耳が聞こえにくくなったりすると、周囲の状況を把握しづらくなり、犬は強い不安を感じます。

その不安な気持ちを紛らわすためや、飼い主さんに助けを求めるために、遠吠えをすることがあります。

身体の痛み

関節炎など、加齢に伴う慢性的な痛みを抱えている場合もあります。

常にどこかが痛む不快感を訴えるために、悲しげな声で鳴き続けることがあります。

老犬の認知症に見られる主なサイン

行動の変化 同じ場所をぐるぐる回る、壁や隅にぶつかっても後退できない、目的もなく徘徊する
生活リズムの変化 昼夜逆転(昼間ずっと寝ていて、夜中に起き出して活動する)、夜鳴き
飼い主への反応の変化 名前を呼んでも反応が鈍い、撫でられても喜ばない、飼い主を認識できないことがある
トイレの失敗 今までできていた場所で粗相をするようになる

遠吠えが見られた時の注意点と観察

遠吠えが見られた時の注意点と観察

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愛犬の遠吠えをやめさせたいと思ったら、まずはなぜ遠吠えをしているのか原因を探ることが不可欠です。

叱りつけるだけでは、犬との信頼関係を損なうだけで根本的な解決にはなりません。

以下のポイントを参考に、愛犬の様子をじっくり観察してみましょう。

遠吠えの観察チェックリスト

  • いつ?:留守番中、夜中、飼い主さんが帰宅した時など、特定の時間帯やタイミングはありますか?
  • どこで?:窓の外を見て、玄関に向かって、ケージの中など、特定の場所で遠吠えをしていますか?
  • 何に対して?:サイレンの音、他の犬の声、来客のチャイムなど、特定のきっかけはありますか?
  • どんな様子?:しっぽは振っていますか?耳はどんな向きですか?表情は不安そう、それとも楽しそうに見えますか?
  • 体調の変化は?:食欲や元気はありますか?歩き方に異常はありませんか?体を触ると嫌がる場所はありますか?

これらの情報をメモしておくと、原因を推測しやすくなるだけでなく、獣医師やドッグトレーナーに相談する際にも非常に役立ちます。

今日からできる遠吠えをやめさせる対策

原因がある程度推測できたら、それに合わせた対策を試してみましょう。

遠吠えは本能的な行動なので、完全にやめさせるのは難しい場合もありますが、回数を減らすことは可能です。

寂しさや不安が原因の場合

飼い主さんとのコミュニケーションの時間を増やし、安心感を与えることが最も効果的です。

一緒に遊ぶ時間を長くしたり、ブラッシングやマッサージをしたりして、愛情をたっぷり伝えてあげましょう。

また、飼い主さんがいなくても安心して過ごせるよう、お気に入りのおもちゃや飼い主さんの匂いがついたタオルなどを置いてあげるのも良い方法です。

ストレスや運動不足が原因の場合

散歩の時間を長くしたり、コースを変えたり、ドッグランで思い切り走らせたりして、十分な運動量を確保しましょう。

また、知育トイなどを使って頭を使わせる遊びを取り入れるのも、ストレス発散に繋がります。

音への反応が原因の場合

サイレンなどの特定の音に反応する場合は、その音が聞こえ始めたらおやつやおもちゃで気をそらす練習をしてみましょう。

「サイレンが鳴る=楽しいことが起こる」と学習させることで、吠える行動を減らせる可能性があります。

また、外の音が聞こえにくいように、カーテンを閉めたり、テレビやラジオを小さな音で流しておくのも有効です。

罰を与えるのは絶対にNG!

遠吠えをしている時に大声で叱ったり、罰を与えたりするのは逆効果です。

犬はなぜ叱られているのか理解できず、かえって不安を煽ってしまったり、「吠えると構ってもらえる」と勘違いしてしまったりする可能性があります。

良い行動をした時に褒めることを基本に、根気強くトレーニングを続けましょう。

犬の遠吠えが悲しそうな時の心構え

犬の遠吠えが悲しそうな時の心構え

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愛犬の悲しそうな遠吠えを聞くと、胸が締め付けられるような気持ちになりますよね。

でも、まずは落ち着いて、それが愛犬からの大切なメッセージであることを受け止めてあげてください。

犬の遠吠えは、彼らが持つ自然なコミュニケーション方法の一つです。

それを無理に押さえつけるのではなく、「なぜ鳴いているんだろう?」とその背景にある気持ちに寄り添う姿勢が何よりも重要です。

寂しいのかもしれない、どこか痛いのかもしれない、あるいはただ退屈なだけかもしれません。

原因を探り、環境を整え、愛情を持って接することで、多くの問題は改善に向かいます。

それでも遠吠えが続いたり、体調に不安な点が見られたりした場合は、決して一人で抱え込まないでください。

かかりつけの獣医師やプロのドッグトレーナーなど、専門家の力を借りることも、愛犬と飼い主さん双方の幸せに繋がる大切な選択肢です。

犬の遠吠えが悲しそうだと感じたら、まずは原因を探ろう

まとめ

  • 犬の遠吠えは祖先オオカミから受け継いだ本能的な行動
  • 主な目的は仲間とのコミュニケーションや縄張り主張
  • 飼い主と離れた時の寂しさや不安が原因で遠吠えすることがある
  • 分離不安症が疑われる場合は専門家への相談が必要
  • 飼い主の帰宅時など嬉しい気持ちや興奮で遠吠えする場合もある
  • 留守番中は寂しさだけでなく退屈や外の音への反応も原因になる
  • 救急車のサイレンへの反応は周波数が似ているための本能的な返事
  • 急に遠吠えを始めたら環境の変化や体調不良を疑う
  • 特に身体的な痛みが隠れていないか注意深く観察する
  • 夜中の遠吠えは運動不足や認知症のサインの可能性がある
  • 老犬の遠吠えは認知症や身体機能の衰えによる不安が主な理由
  • 対策の前にまず「いつ、どこで、何に」吠えているか観察することが重要
  • 寂しさが原因ならコミュニケーションを増やし安心させる
  • ストレスが原因なら運動や遊びでエネルギーを発散させる
  • 叱るのではなく、気をそらしたり良い行動を褒めたりして対処する

愛犬の悲しそうな遠吠えに、どう対処すれば良いか分からず心を痛めていたかもしれません。

しかしこの記事を通して、その声が単なる問題行動ではなく、本能や寂しさ、時には体調不良を伝える愛犬からの重要なメッセージであることがお分かりいただけたでしょう。

大切なのは、感情的に叱るのではなく、まず「なぜ?」と原因を探り、コミュニケーションや環境改善といった対策でその心に寄り添う姿勢です。

もし解決が難しい場合は、決して一人で悩まず専門家を頼ってください。

この記事があなたの不安を和らげ、愛犬との絆を一層深める一助となれば幸いです。

監修者細峰
監修者細峰
最後までお読みいただきありがとうございました!

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