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「うちの柴犬、なんだか最近痩せてきた気がする…」「あばら骨が浮き出て見えるけど、これって痩せすぎ?」と、愛犬の体型に不安を感じていませんか。
柴犬の痩せすぎには、単なる少食が原因である場合もあれば、ストレスや加齢による筋力の衰え、さらには病気が隠れている可能性も考えられます。
大切な家族である愛犬の健康を守るためには、まず適正体重を知り、正しい体重の測り方や体型のチェック方法を把握することが重要です。
この記事では、柴犬が痩せすぎになる主な原因を解説し、ご家庭でできる食事の見直し方や生活リズムを整える具体的な対策、そして痩せすぎに伴うリスクまで、飼い主さんのあらゆる疑問にお答えします。
ポイント
- 柴犬の適正な体型と簡単なチェック方法がわかる
- 愛犬が痩せている原因を正しく見極めるヒントが得られる
- 健康的に体重を増やすための食事や生活習慣の改善策がわかる
- 動物病院を受診すべき危険なサインがわかる
その体型は大丈夫?柴犬の痩せすぎをチェック
- 柴犬の理想的な適正体重とは?
- 自宅でできる柴犬の体重の測り方
- 簡単な体型のチェック方法とポイント
- 痩せすぎが引き起こす健康上のリスク
柴犬の理想的な適正体重とは?

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愛犬が痩せすぎかどうかを判断する上で、まず基準となるのが適正体重です。
しかし、一言で柴犬といっても、骨格や筋肉の付き方には個体差があるため、「〇kgが絶対」という明確な基準はありません。
一般的に、成犬の柴犬の体重はオスで9〜11kg、メスで7〜9kgが目安とされています。
ただ、これはあくまで平均的な数値であり、この範囲から外れているからといって、すぐに痩せすぎや肥満と判断するのは早計です。
最近人気の豆柴であれば、成犬でもオスが5〜6kg、メスは4〜5kgが適正体重の目安となり、一般的な柴犬とは基準が大きく異なります。
このように、まずは愛犬の種類や骨格を考慮した上で、理想の体重を把握することが大切になります。
体重はあくまで健康管理の一つの指標です。
数字だけに一喜一憂せず、後述する「体型のチェック方法」と合わせて総合的に判断しましょう。
| 種類 | オス | メス |
|---|---|---|
| 標準柴犬 | 9~11kg | 7~9kg |
| 豆柴 | 5~6kg | 4~5kg |
より重要なのは、愛犬が最も健康的な体型だった時の体重を記録しておき、それを基準にすることです。
成犬になってから体重が10〜15%以上減少した場合は、何らかの原因が考えられるため注意が必要となります。
自宅でできる柴犬の体重の測り方
愛犬の体重を正確に把握することは、健康管理の基本です。
動物病院で測るのが最も正確ですが、ご家庭でも定期的に測定する習慣をつけましょう。
最も簡単で一般的な体重の測り方は、飼い主さんが愛犬を抱っこして体重計に乗る方法です。
抱っこして測る方法の手順
- まず、飼い主さん一人の体重を測ります。
- 次に、愛犬をしっかりと抱っこした状態で、もう一度体重を測ります。
- ②の数値から①の数値を引いたものが、愛犬の体重です。
この方法であれば、じっとしているのが苦手な子でも比較的簡単に測ることができます。
大型の柴犬で抱っこが難しい場合は、おやつなどで誘導して体重計の上で「おすわり」や「ふせ」をさせて測る方法もあります。
ペット用の体重計も販売されているので、より正確に測りたい場合は利用を検討するのも良いでしょう。
体重測定のポイント
体重は食事や排泄によって変動するため、なるべく毎日同じ時間帯、同じ条件(例:朝の散歩と排泄を済ませた後など)で測るのがおすすめです。
定期的に記録することで、わずかな変化にも気づきやすくなります。
簡単な体型のチェック方法とポイント

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体重の数値と合わせて、実際に愛犬の体を見て、触って体型をチェックする方法が非常に重要です。
この評価方法は「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」と呼ばれ、世界中の獣医師が用いる指標です。
BCSは体脂肪の付き具合を5段階で評価し、BCS3が理想、BCS1〜2が「痩せすぎ」と判断されます。
柴犬は毛量が多く、見た目だけでは体型が分かりにくい犬種です。
そのため、必ず手で体に触れて確認することを忘れないでください。
BCSの詳しい評価基準については、環境省が公開しているガイドラインも参考になります。
チェックポイント①:肋骨(あばら骨)
愛犬の胸のあたりを、手のひらで優しく撫でてみましょう。
理想的な状態(BCS3)では、うっすらと脂肪の層越しに、肋骨の感触が分かる程度です。
もし、脂肪がほとんど感じられず、ゴツゴツとした骨が直接手に当たるようなら、痩せすぎ(BCS2)の可能性があります。
さらに、見た目にも肋骨がくっきりと浮き出ている場合は、深刻な痩せすぎ(BCS1)の状態です。
チェックポイント②:腰のくびれ
愛犬を真上から見てみましょう。
理想的な体型であれば、肋骨の後ろから腰にかけて、なだらかなくびれが見られます。
このくびれが非常にきつい、砂時計のようにえぐれている場合は、痩せすぎのサインです。
チェックポイント③:お腹の吊り上がり
今度は、愛犬を真横から見てください。
胸からお尻にかけて、お腹が緩やかに吊り上がっているのが理想です。
この吊り上がりの角度が急で、お腹が極端にへこんで見える場合も、痩せすぎが疑われます。
注意ポイント
これらのチェックは、愛犬がリラックスして立っている状態で行うのが基本です。
座っていたり、体を丸めていたりすると正しく判断できないため注意しましょう。
痩せすぎが引き起こす健康上のリスク
肥満が体に悪いことは広く知られていますが、実は痩せすぎも同様にさまざまな健康上のリスクを伴います。
「少し痩せているくらいがスリムで良い」と考えるのは危険です。
痩せすぎの状態は、体に必要な栄養が不足しているサインであり、以下のような問題を引き起こす可能性があります。
- 免疫力の低下:栄養不足は体の抵抗力を弱め、感染症などの病気にかかりやすくなります。
- 体力・筋力の低下:筋肉量が減ることで、疲れやすくなったり、散歩を嫌がるようになったりします。高齢犬の場合は、寝たきりにつながるリスクも高まります。
- 皮膚や被毛のトラブル:健康な皮膚や美しい被毛を維持するためには、十分な栄養素が必要です。栄養が不足すると、毛艶が悪くなったり、フケが出やすくなったりします。
- 体温調節機能の低下:脂肪が少ないと体温を維持しにくくなり、特に冬場は体を冷やしやすくなります。
- 臓器機能の低下:栄養不足が長期化すると、心臓や肝臓といった重要な臓器の働きにも影響を及ぼすことがあります。
このように、痩せすぎは愛犬のQOL(生活の質)を著しく低下させる可能性があります。
たかが痩せすぎと軽視せず、原因を突き止めて適切に対処してあげることが重要です。
柴犬が痩せすぎになる原因と家庭での対策

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- まず疑うべき病気の可能性について
- 柴犬の少食の原因と食欲を促す工夫
- 加齢による筋力の衰えも一因に
- 見過ごせない精神的なストレスのサイン
- 健康的な体型を目指す食事の見直し方
- 毎日の生活リズムを整える重要性
- 焦らないで!柴犬の痩せすぎ対策まとめ
まず疑うべき病気の可能性について
食事の量や生活習慣に大きな変化がないにもかかわらず、愛犬の体重が急激に減ってきた場合、まず何らかの病気が隠れている可能性を疑う必要があります。
特に、「食欲はあるのに痩せていく」という状態は、病気のサインである可能性が高いため注意が必要です。体重減少を引き起こす代表的な病気には、以下のようなものがあります。
- 消化器系の病気:慢性的な下痢や嘔吐があると、食べたものの栄養をうまく吸収できずに痩せてしまいます。
- 糖尿病:水をたくさん飲み、おしっこの量が増える(多飲多尿)といった症状と共に、食欲旺盛なのに痩せていくのが特徴です。
- 腎臓病:病状が進行すると食欲不振や嘔吐が見られ、体重が減少します。
- 寄生虫感染:お腹の中に寄生虫がいると、栄養を横取りされて痩せてしまうことがあります。
- 腫瘍(がん):がん細胞が体の栄養を消費するため、食欲があっても体重が減少することがあります。
- 口の中のトラブル:歯周病や口内炎など、口の中に痛みがあると、食べたくても食べられずに痩せてしまいます。
こんな症状が見られたらすぐに動物病院へ
痩せていることに加え、以下のような症状が見られる場合は、様子を見ずにできるだけ早く動物病院を受診してください。
- 短期間で急激に体重が減った
- 元気や食欲がない
- 嘔吐や下痢を繰り返す
- 水を飲む量や尿の量が異常に多い
- 毛艶が悪い、フケが増えた
柴犬の少食の原因と食欲を促す工夫

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病気以外の原因で最も多いのが、単純に食べる量が少ない「少食」です。
柴犬はもともと猟犬であったことから、グルメで好みがはっきりしている子も少なくありません。
少食になる原因としては、以下のようなことが考えられます。
- フードへの飽き:毎日同じフードを食べていて、味に飽きてしまった。
- わがまま:フードを食べなければ、もっと美味しいおやつをもらえると学習してしまった。
- おやつの食べ過ぎ:おやつでお腹がいっぱいになり、主食であるフードを食べられない。
- 運動不足:消費カロリーが少ないため、お腹が空きにくい。
食欲を促すための工夫
愛犬が少食気味な場合は、食事に少し工夫を加えることで食欲が増すことがあります。
フードをふやかしてみる:ドライフードをぬるま湯でふやかすと、香りが立って食欲をそそります。また、消化しやすくなるというメリットもあります。
トッピングを試す:フードの上に、犬が好む鶏のささみを茹でたものや、無糖のヨーグルト、ヤギミルクなどを少量トッピングするのも効果的です。ただし、トッピングの与えすぎは栄養の偏りやさらなる偏食につながるため、あくまで食欲を刺激する程度に留めましょう。
フードの種類を変えてみる:主原料がチキンから魚に変わるなど、味の異なるフードに切り替えると食べてくれることがあります。いくつかのフードを定期的にローテーションするのも一つの手です。
食事の時間を楽しく演出することも大切です。
フードを少しずつ隠して探させる「ノーズワーク」や、転がすとフードが出てくる知育トイなどを活用すると、遊び感覚で食事に集中してくれることがあります。
加齢による筋力の衰えも一因に
犬も人間と同じように、年を取ると身体に様々な変化が現れます。
7歳を超えるシニア期に入ると、基礎代謝が落ち、運動量も自然と減ってくるため、筋肉量が減少しやすくなります。
筋肉は脂肪よりも重いため、筋肉が落ちることで体重が減少することがあります。
加齢による体重減少は、病気のように急激に起こるのではなく、数ヶ月から数年かけて緩やかに進むのが特徴です。
食欲や元気は以前と変わらないのに、なんとなく背中が骨張ってきたように感じる場合は、加齢による筋力低下が原因かもしれません。
また、シニア犬は消化吸収機能も衰えてくるため、若い頃と同じフードを食べていても、必要な栄養を十分に吸収できなくなっている可能性もあります。
このような場合は、消化吸収性に優れたシニア犬用のフードに切り替えることを検討しましょう。
良質なタンパク質をしっかり摂取し、適度な運動を続けることが、筋力の維持につながります。
見過ごせない精神的なストレスのサイン

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犬は非常に繊細な動物であり、環境の変化などからストレスを感じやすいです。
強いストレスは食欲不振に直結し、体重減少の原因となることがあります。
ストレスの原因となるのは、以下のような出来事です。
- 引っ越しや部屋の模様替え
- 家族構成の変化(新しいペット、赤ちゃんの誕生など)
- 長時間の留守番
- 近所の工事などの騒音
- 飼い主さんとのコミュニケーション不足
柴犬は特に、自分の縄張りや日々のルーティンを大切にする傾向があるため、些細な変化でもストレスを感じやすいと言われています。
もし最近、生活環境に何か変化があった場合は、それが原因で食欲が落ちていないか注意深く観察してあげてください。
愛犬が安心して過ごせるように、静かな寝床を用意したり、一緒に遊ぶ時間を増やしたりするなど、心のケアを優先しましょう。
ストレスサインは食欲不振だけでなく、体を執拗に舐めたり掻いたりする、自分の尻尾を追いかけ回す、無駄吠えが増えるといった行動で現れることもあります。
普段と違う様子が見られたら、ストレスの原因を探り、取り除いてあげることが大切です。
健康的な体型を目指す食事の見直し方
病気やストレスなどの原因が見当たらないのに愛犬が痩せている場合、現在の食事が合っていない可能性があります。
健康的に体重を増やすためには、ただ量を増やすのではなく、食事の「質」を見直すことが重要です。
基本的な考え方は、高タンパク・高カロリーで、なおかつ消化の良いフードを選ぶことです。少食の子でも少量で効率的に栄養を摂取できます。
フード選びのポイント
- 主原料をチェック:原材料表記の一番最初に、質の良い動物性タンパク質(チキン、ラム、魚など)が記載されているフードを選びましょう。
- 子犬用フードの活用:子犬用(パピー)フードは、成長のために栄養価が高く設計されているため、痩せすぎの成犬の体重増加にも効果的な場合があります。
- 消化への配慮:グレインフリー(穀物不使用)のフードや、腸内環境を整える乳酸菌などが配合されたフードも、消化吸収を助ける上で有効です。
食事量を増やす際の注意点
フードを切り替えたり、量を増やしたりする際は、必ず少量ずつ、1週間〜10日ほどかけてゆっくりと行ってください。
急な変更は胃腸に負担をかけ、下痢や嘔吐の原因となります。
また、一度に与える量を増やすのではなく、食事の回数を1日2回から3〜4回に増やすことで、一回あたりの消化の負担を軽減できます。
毎日の生活リズムを整える重要性

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食事の見直しと合わせて、日々の生活リズムを整えることも、愛犬の健康的な体づくりには欠かせません。
規則正しい生活は、犬の体内時計を正常に保ち、消化器官の働きを活発にしたり、精神的な安定につながったりします。
特に重要なのが、散歩と食事の時間です。毎日できるだけ同じ時間に散歩に行き、同じ時間に食事を与えるように心がけましょう。
おすすめのリズムは、「散歩の後に食事」です。
散歩で適度に体を動かすことでお腹が空き、食欲が増進します。
また、散歩は気分転換になり、ストレス解消にも繋がるため、精神的な原因による食欲不振の改善も期待できます。
雨の日などで散歩に行けない場合でも、室内でボール遊びをしたり、コミュニケーションを取ったりする時間を作り、食事の前に体を動かす習慣をつけるのが理想です。
決まった生活リズムは犬に安心感を与え、心身ともに健康な状態を保つための土台となります。
焦らないで!柴犬の痩せすぎ対策まとめ

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愛犬の痩せすぎに気づいた時、飼い主さんは大きな不安を感じるかもしれません。
しかし、焦らずに一つずつ原因を探り、適切に対処していくことが大切です。この記事で解説したポイントを改めてまとめます。
まとめ
- 柴犬の適正体重はオス9〜11kg、メス7〜9kgが目安だが個体差がある
- 体重の数値だけでなくBCS(ボディ・コンディション・スコア)で体型をチェックする
- 肋骨がゴツゴツ触れたり、腰のくびれが顕著な場合は痩せすぎのサイン
- 痩せすぎは免疫力低下や体力不足など様々な健康リスクを伴う
- 食欲があるのに急に痩せた場合は病気の可能性を疑い動物病院へ
- 嘔吐や下痢、多飲多尿などの症状は危険なサイン
- フードへの飽きやわがままが少食の原因になることもある
- 食事の工夫としてフードをふやかしたりトッピングを活用する
- 7歳以上のシニア犬は加齢による筋力低下で痩せやすくなる
- 引っ越しや留守番などのストレスが食欲不振につながる場合もある
- 痩せすぎ対策の食事は高タンパク・高カロリーで消化の良いものが基本
- 食事の量を増やす際は一気に変えず、徐々に慣らしていく
- 食事の回数を1日3〜4回に分けると消化の負担が減る
- 散歩と食事の時間を一定にし、生活リズムを整えることが重要
- まずは愛犬の状態をよく観察し、不安な場合は迷わず獣医師に相談する
愛犬の「柴犬が痩せすぎかも?」という心配は、飼い主さんだからこそ気付ける重要な健康のサインです。
まずは体重測定と合わせ、あばら骨や腰のくびれを触る体型チェックを習慣にしましょう。
原因は食事やストレス、加齢と様々ですが、急な体重減は病気の可能性も視野に入れることが大切です。
この記事で解説した食事の見直しや生活リズムの改善を実践し、不安が残る場合は迷わず獣医師に相談してください。
あなたの愛情ある観察と行動が、愛犬の健康で幸せな未来を守る一番の力になります。


