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賢く活発な性格と愛らしい見た目で人気のシュナウザーですが、その一方で「吠えやすい」という悩みを抱える飼い主さんは少なくありません。
シュナウザーの吠えるしつけは難しいと感じていませんか。
特に、散歩中に他に犬に吠える、インターホンの音に過剰に反応するなど、特定の状況で問題行動が悪化することもあります。
吠える原因には、その性格や特徴からくる強い警戒心などが関係しており、しつけに失敗すると噛むといった別の問題につながる可能性も否定できません。
しかし、正しい知識を持って向き合えば、必ず改善は見込めます。
この記事では、シュナウザーが吠える根本的な原因を解明し、具体的な改善策やしつけを成功させるためのポイントを専門的な情報に基づいて詳しく解説します。
ポイント
- シュナウザーが吠える根本的な原因
- 吠え癖を改善するための具体的なしつけのポイント
- 状況別(散歩中など)の効果的な対処法
- しつけで失敗しないための重要な注意点
吠えるシュナウザーのしつけ方|まずは原因を理解
- 吠えるのには必ず原因がある
- シュナウザーの性格と特徴
- シュナウザーはもともと吠えやすい?
- 番犬気質からくる強い警戒心
- 吠える以外に噛む行動も要注意
吠えるのには必ず原因がある

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シュナウザーが吠える行動は、人間から見ると「無駄吠え」に思えるかもしれませんが、犬にとっては必ず何かしらの理由があります。
その行動の裏にある原因を理解することが、しつけの第一歩です。
シュナウザーの吠えは、主に4つのカテゴリーに分類できます。
| 吠える原因の種類 | 具体的な状況 | 犬の心理 |
|---|---|---|
| 警戒・恐怖 | 来客、インターホンの音、見知らぬ人や犬との遭遇 | 縄張りを守りたい、怖いものを遠ざけたい |
| 要求 | ごはんが欲しい、遊んでほしい、サークルから出してほしい | 吠えれば要求が通ると学習している |
| 興奮 | 飼い主の帰宅時、散歩に行く前、遊びの最中 | 嬉しい、楽しいという気持ちが高まっている |
| 分離不安 | 飼い主が留守にしている間 | 独りになることへの強い不安や寂しさ |
このように、一口に「吠える」と言っても、その背景にある心理は様々です。
まずはあなたの愛犬がどのような状況で、何を伝えようとして吠えているのかを注意深く観察し、原因を特定することが重要になります。
原因がわかれば、それに応じた適切な対策を講じることが可能となるでしょう。
シュナウザーの性格と特徴
シュナウザーの吠えやすさを理解するためには、犬種としての基本的な性格や特徴を知っておく必要があります。
シュナウザーは「人間の頭脳を持つ」と言われるほど非常に知能が高く、物覚えが良い犬種です。
そのため、一度「吠えれば要求が通る」と学習してしまうと、それが癖になりやすい傾向があります。
また、活発で遊び好きな面と、テリア種特有の頑固で気の強い一面を併せ持つのも特徴です。
飼い主に対しては深い愛情と忠誠心を示しますが、自分がリーダーだと勘違いすると、言うことを聞かなくなってしまうことも少なくありません。
シュナウザーの主な性格
- 賢い:学習能力が高いが、悪いこともすぐに覚えてしまう。
- 活発:エネルギーを発散させないとストレスで問題行動を起こしやすい。
- 頑固:一度決めたことを曲げない気の強さがある。
- 愛情深い:家族への愛情が深く、寂しがり屋な一面も持つ。
これらの性格は、しつけにおいて大きな影響を与えます。
賢さを活かせば素晴らしいパートナーになりますが、頑固さが強く出るとしつけが難航することもあるのです。
シュナウザーのしつけでは、犬種特有の性格を深く理解した上で、根気強く向き合う姿勢が求められます。
シュナウザーはもともと吠えやすい?

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結論から言うと、シュナウザーは他の犬種と比較して吠えやすい傾向があると言えます。
これは、シュナウザーがもともとドイツで農場のネズミを駆除したり、家畜を守る番犬として活躍したりしていた歴史的背景が関係しています。
番犬としての役割は、自分のテリトリーに侵入してくる不審なものに対して、吠えて警告し、主人に知らせることでした。
この「危険を察知し、吠えて知らせる」という本能的な性質が、現代の家庭犬としてのシュナウザーにも色濃く受け継がれているのです。
そのため、見慣れない人や物音、他の犬などに対して敏感に反応し、吠えることで自分の役割を果たそうとします。
テリア気質も影響
シュナウザーはテリアグループに属する犬種です。
テリアはもともと巣穴にいるキツネなどの小動物を狩るために改良された犬種で、勇敢で負けず嫌い、そして興奮しやすい性質を持っています。
このテリア気質も、シュナウザーの吠えやすさの一因と考えられています。
もちろん、すべてのシュナウザーが過剰に吠えるわけではありません。
しかし、このような犬種としての背景を理解しておくことで、「なぜうちの子はこんなに吠えるのだろう」という悩みを少し違った視点から見つめ直すことができるはずです。
番犬気質からくる強い警戒心
前述の通り、シュナウザーが吠える最も一般的な原因の一つが、番犬気質からくる強い警戒心です。
彼らにとって、自宅や散歩コースは守るべき大切な縄張り(テリトリー)です。
そのため、以下のような対象が縄張りに近づくと、警戒して吠える行動が見られます。
- 玄関のチャイムの音
- 配達員や見知らぬ訪問者
- 散歩中にすれ違う人や他の犬
- 自転車やバイク、自動車
- 窓の外に見える猫や鳥
これはシュナウザーからすれば、「怪しいヤツが来たぞ!」「飼い主に危険を知らせなきゃ!」という自然な行動なのです。
特に、子犬の頃の社会化期に様々な人や音、環境に触れる経験が不足していると、未知のものに対する恐怖心から警戒吠えが強くなる傾向があります。
この警戒心を和らげるためには、「知らない人や物は怖くない」ということを根気強く教えていく社会化トレーニングが非常に重要になります。
吠える以外に噛む行動も要注意

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シュナウザーのしつけにおいて、吠える問題と同様に注意したいのが噛む行動です。
吠えるという行動がエスカレートした結果、恐怖や興奮から噛みつきに発展するケースは少なくありません。
子犬期には、歯が生え変わる時期の歯がゆさから甘噛みをすることがよくあります。
この段階で「人の手を噛んではいけない」としっかり教えないと、成犬になっても噛み癖が残ってしまう可能性があります。
噛む行動の主な原因
成犬が噛む場合は、単なる遊びの延長ではなく、より深刻な原因が隠れていることがあります。
例えば、恐怖や不安、縄張りを守ろうとする防衛心、あるいはストレスや退屈などが挙げられます。
吠えても状況が改善されない場合に、最終手段として噛む行動に出ることもあるのです。
もし愛犬が唸ったり歯を剥いたりするような兆候を見せたら、それは「これ以上近づかないで」という警告のサインです。
吠える問題と同様に、噛む行動も放置せず、なぜ噛もうとするのか、その原因を探り、早い段階で専門家に相談することも検討してください。
シュナウザーが吠えるのを止めるしつけ方|具体的な改善策

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- 今日からできる吠え癖の改善策
- しつけを成功させるためのポイント
- 散歩中に他の犬に吠える時の対処
- しつけで失敗しないための注意点
- しつけが難しいと感じたら
今日からできる吠え癖の改善策
シュナウザーの吠え癖を改善するためには、原因に応じた具体的な対策を日常生活に取り入れることが効果的です。
ここでは、今日からすぐに始められる基本的な改善策をいくつかご紹介します。
エネルギーを十分に発散させる
活発なシュナウザーは、運動不足がストレスとなり、吠える原因になることがあります。
散歩の時間を少し長くしたり、1日の回数を増やしたりするだけでも効果が期待できます。
また、散歩に行けない日は、室内でボール遊びやノーズワーク(おやつ探しゲーム)などを取り入れ、心身ともに満足させてあげることが大切です。
吠えている時は徹底して無視する
「遊んでほしい」「おやつがほしい」といった要求吠えに対しては、徹底して無視することが最も効果的な対策です。
「吠えても良いことは何も起こらない」と犬に学習させましょう。
吠えている間は、名前を呼んだり、目を合わせたり、叱ったりしないでください。
そして、吠えるのをやめて静かになった瞬間に、「よくできたね」と褒めてあげることが重要です。
安心できる環境を整える
警戒吠えや分離不安による吠えには、犬が安心できる環境作りが欠かせません。
例えば、外の物音に敏感に反応する場合は、カーテンを閉めたり、テレビやラジオで生活音を流したりして、外からの刺激を遮断する工夫が有効です。
また、留守番時には、飼い主の匂いがついたタオルやおもちゃをクレートに入れてあげると、安心して過ごしやすくなります。
しつけを成功させるためのポイント

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シュナウザーのしつけを成功に導くためには、日々の接し方の中にいくつかの重要なポイントを取り入れる必要があります。
これらを意識するだけで、トレーニングの効果は大きく変わってきます。
しつけ成功の3大原則
- 一貫性を持つ
家族全員でルールを統一することが非常に重要です。ある人は叱り、ある人は許すという状況では、犬は何が正しいのか混乱してしまいます。「ソファに乗ってはいけない」と決めたら、誰が対応しても必ず同じルールを適用してください。 - 褒めて伸ばす
シュナウザーは賢く、飼い主に喜んでもらうことが大好きです。望ましい行動(静かにしている、指示に従えたなど)ができた瞬間に、大げさなくらい褒めてあげましょう。おやつやおもちゃをご褒美に使うのも効果的です。叱るよりも、「これをすると褒められる」という成功体験を積み重ねさせる方が、犬は楽しく学習できます。 - 短時間で集中して行う
犬が集中できる時間は長くありません。特に子犬の場合は5分程度と言われています。1回のトレーニングは10分〜15分程度を目安に、集中力が切れる前に切り上げましょう。長時間だらだらと続けるよりも、短いトレーニングを毎日コツコツ続ける方が効果的です。
これらのポイントに加え、愛情を持って根気強く続ける姿勢が何よりも大切です。
シュナウザーは頑固な一面もありますが、信頼関係が築ければ、飼い主のために一生懸命応えようとしてくれる素晴らしいパートナーになります。
散歩中に他の犬に吠える時の対処
散歩中に他の犬や人に対して吠えてしまうのは、飼い主にとって特に悩ましい問題の一つです。
これは主に、社会化不足による恐怖心や警戒心が原因と考えられます。
まずは対象との距離をとる
吠える対象(他の犬など)が前方に見えたら、すぐにUターンしたり、道の反対側に渡ったりして、愛犬が吠え始める前に物理的な距離をとりましょう。
無理に近づけて「慣れさせよう」とするのは逆効果です。
犬が「吠えなくても大丈夫だ」と感じられる距離を保つことが大切になります。
吠えかかってしまうと、相手の飼い主さんにも迷惑がかかりますし、何より愛犬自身が強いストレスを感じています。
まずは「吠えさせない状況を作る」ことを最優先に考えてあげてください。
おやつで注意を引く
吠える対象から十分に距離がとれたら、好きなおやつを使って飼い主に注目させる練習をします。
名前を呼んでアイコンタクトができたら褒めておやつを与える、ということを繰り返しましょう。
これにより、「他の犬がいても、飼い主さんに注目していれば良いことがある」と学習させていきます。
このトレーニングは、他の犬がいない落ち着いた場所で練習してから実践するのがスムーズです。
散歩コースや時間を変える
どうしても犬や人が多い場所を避けられない場合は、思い切って散歩のコースや時間帯を変えてみるのも一つの手です。
交通量の少ない早朝や夜間などに散歩することで、犬がリラックスでき、吠える機会そのものを減らすことができます。
しつけで失敗しないための注意点

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良かれと思ってやっている対応が、実は吠え癖を悪化させているケースも少なくありません。
ここでは、しつけでやりがちな失敗例と、そうならないための注意点を解説します。
やってはいけないNG対応
- 大声で叱りつける
犬が吠えている時に大声で「ダメ!」と叱ると、犬は「飼い主も一緒に吠えて応援してくれている」と勘違いしたり、恐怖心からさらに吠えがひどくなったりすることがあります。叱る際は、低く落ち着いた声で短く「イケナイ」と伝える程度に留めましょう。 - 吠えた時におやつで気を引く
吠えを止めさせようとして、吠えている最中におやつをあげるのは絶対にやめましょう。これは「吠えるとおやつがもらえる」と教えているのと同じで、要求吠えを助長する最悪の対応です。おやつは必ず、犬が静かになった瞬間にご褒美として与えてください。 - 一貫性のない態度
前述の通り、家族間で対応がバラバラだったり、飼い主の気分によって許したり叱ったりするのは、犬を混乱させるだけです。しつけのルールは一度決めたら、どんな時でも一貫した態度で接することが信頼関係の基本です。
しつけに失敗はつきものです。
しかし、これらのNG対応を避けるだけでも、状況は大きく改善される可能性があります。
焦らず、正しい知識を持って対応することが、問題解決への近道です。
しつけが難しいと感じたら
ここまで様々な原因や対策をご紹介してきましたが、すべての問題を飼い主さんだけで解決できるわけではありません。
色々な方法を試しても一向に改善しない場合や、攻撃的な行動が見られる場合は、一人で抱え込まずに専門家の力を借りることを強くお勧めします。
しつけが難しいと感じた時の主な相談先には、以下のような選択肢があります。
ドッグトレーナー
犬のしつけの専門家です。
家庭訪問型のプライベートレッスンや、しつけ教室(グループレッスン)など、様々な形態があります。
愛犬の性格や問題行動に合わせた具体的なトレーニング方法を、飼い主と一緒に実践しながら指導してくれます。
獣医師(行動診療科)
吠えの原因が、痛みや病気、あるいは極度の不安障害など、医学的な問題に起因している可能性もあります。
行動診療を専門とする獣医師は、診断に基づき、環境改善指導や投薬治療などを提案してくれます。
相談先の選び方
専門家を選ぶ際は、体罰や強制的な方法を用いず、犬を褒めて伸ばす「陽性強化」という手法を主軸にしているトレーナーや獣医師を選ぶことが大切です。
事前にホームページを確認したり、カウンセリングを受けたりして、自分と愛犬に合った専門家を見つけましょう。
信頼できる情報源として、公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)などのウェブサイトも参考になります。
プロに相談することは、決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、問題が深刻化する前に専門的なアドバイスを求めることは、愛犬と飼い主双方にとって、より良い関係を築くための賢明な選択と言えるでしょう。
吠えるシュナウザーには根気強いしつけが鍵

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まとめ
- シュナウザーが吠えるのには必ず理由がある
- 主な原因は警戒心、要求、興奮、分離不安
- 賢く頑固な性格がしつけに影響する
- もともと番犬としての性質から吠えやすい傾向
- 吠えがエスカレートして噛む行動につながることも
- 改善策の基本はエネルギーを発散させること
- 要求吠えには徹底した無視が効果的
- 安心できる環境作りで警戒心を和らげる
- しつけは家族全員で一貫したルールを持つことが重要
- 叱るよりも褒めて伸ばすことを意識する
- トレーニングは短時間集中で毎日続ける
- 散歩中の吠えは対象との距離をとることから始める
- 大声で叱ったり吠えている時におやつをあげたりするのはNG
- 改善が見られない場合はドッグトレーナーなど専門家へ相談する
- 正しい知識と愛情を持って根気強く向き合うことが最も大切
今回は、シュナウザーが吠える原因から、しつけで失敗しないための具体的な改善策までを詳しく解説しました。
賢く愛情深いシュナウザーですが、その背景にある番犬としての性格や強い警戒心を理解することが、問題解決の第一歩です。
吠えている時の無視や、静かにできた瞬間に褒めるなど、日々の地道な積み重ねが大切になります。
この記事で紹介したポイントを参考に、愛犬の気持ちに寄り添いながら、深い信頼関係を築いてください。
あなたの根気強い愛情が、愛犬との穏やかで楽しい毎日へと繋がっていきます。


