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愛犬のポメラニアンが尻尾を振らないと、「もしかして懐いていないのかな?」「どこか体調が悪いのでは?」と心配になりますよね。
ポメラニアンが尻尾を振らないのには、その性格や特徴、日頃の飼い方まで、様々な原因が考えられます。
この記事では、ポメラニアンが尻尾を振らない原因を、考えられる病気の可能性から探ります。
さらに、尻尾の仕草、例えば上がっている場合や下がっている場合の意味、自分の尻尾を噛むのはなぜかといった疑問にもお答えします。
愛犬の気持ちを理解し、適切な対策をとるためのヒントが満載ですので、ぜひ参考にしてください。
ポイント
- ポメラニアンが尻尾を振らない様々な原因
- 尻尾の動きから読み取れる感情や心理状態
- 注意すべき尻尾に関する異常行動とその対策
- 愛犬との信頼関係をより深めるためのヒント
ポメラニアンが尻尾を振らない主な原因
- ポメラニアンの性格や特徴について
- 尻尾を振らないのは学習不足が原因か
- 病気の可能性も考えられる
- しつけなど日頃の飼い方も影響する
- ストレスへの対策はできているか
ポメラニアンの性格や特徴について
ポメラニアンが尻尾を振らない理由を探る上で、まずはその犬種特有の性格や特徴を理解することが大切です。
ポメラニアンは、その愛らしい見た目通り、非常に活発で好奇心旺盛、そして遊ぶことが大好きな性格をしています。
飼い主に対して忠実で愛情深い一面も持ち合わせています。
一方で、祖先が牧羊犬だったこともあり、警戒心が強く勇敢な面も持っています。
そのため、知らない人や物音に対して敏感に反応し、吠えやすい傾向が見られます。
この注意深さや賢さが、時には繊細さとして現れることも少なくありません。
このように、ポメラニアンは単純に「嬉しいから尻尾を振る」といった分かりやすい感情表現だけではなく、周囲の状況を注意深く観察し、複雑な心理状態にある場合もあります。
そのため、尻尾を振らないからといって、一概に喜んでいない、懐いていないと判断するのは早計です。
愛犬の性格をよく理解し、他のボディランゲージと合わせて気持ちを読み取ってあげましょう。
ポメラニアンの性格
活発で愛情深いが、警戒心が強く繊細な一面も持ち合わせています。
この性格が尻尾の動きに影響している可能性があります。
尻尾を振らないのは学習不足が原因か

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ポメラニアンが尻尾を振らない原因として、意外かもしれませんが「学習不足」が挙げられます。
犬は本来、母犬や兄弟犬との触れ合いの中で、尻尾を使ったコミュニケーション方法を学びます。
これは社会化期と呼ばれる、子犬にとって非常に重要な時期に習得されるものです。
しかし、あまりにも早い段階で親兄弟から引き離されてしまった場合、尻尾で感情を表現するという行動を学ぶ機会を失ってしまうことがあります。
そのため、嬉しい、楽しいといった感情を抱いていても、それを尻尾を振るという形で表現するのが苦手な子に育つ可能性があるのです。
これは病気や飼い主さんへの不満が原因ではないため、過度に心配する必要はありません。
その子の個性として受け止め、尻尾以外の愛情表現(体をすり寄せる、顔を舐めるなど)に目を向けてあげることが大切ですよ。
もちろん、すべての犬が同じように学ぶわけではありませんが、もし愛犬が昔からあまり尻尾を振らないのであれば、このような背景も考えられるでしょう。
病気の可能性も考えられる
これまで尻尾を元気に振っていたのに、急に振らなくなった、あるいは触ると嫌がるといった変化が見られる場合は、病気や怪我の可能性を疑う必要があります。
犬は言葉で痛みを伝えられないため、行動の変化が重要なサインとなります。
尻尾を振らなくなる原因として考えられる主な病気や怪我には、以下のようなものがあります。
考えられる病気や怪我
- 椎間板ヘルニア:背骨のクッションである椎間板が神経を圧迫する病気です。腰に発症すると、尻尾や後ろ足に麻痺や痛みが出ることがあります。
- 馬尾症候群:腰の辺りにある神経の束(馬尾)が圧迫されることで、尻尾の動きが悪くなったり、排泄に問題が出たりします。
- 関節の痛み:加齢による関節炎や、怪我によって尻尾の付け根の関節を痛めている場合、痛みのために尻尾を振れなくなります。
- 外傷・骨折:ドアに尻尾を挟んだり、どこかから落下したりして、尻尾を骨折・捻挫している可能性も考えられます。
獣医師への相談を
これらの症状は、放置すると悪化する可能性があります。
特に「痛がる」「元気がない」「食欲がない」「歩き方がおかしい」といった他の症状を伴う場合は、すぐに動物病院を受診してください。
早期の診断と治療が、愛犬の健康を守る鍵となります。(参照:公益社団法人日本獣医師会)
しつけなど日頃の飼い方も影響する

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ポメラニアンが尻尾を振らない背景には、日頃の飼い方やしつけが影響しているケースもあります。
ポメラニアンは非常に賢く、飼い主の表情や声のトーンを敏感に読み取る犬種です。
そのため、飼い主との関係性が行動に大きく反映されます。
例えば、以下のような飼い方は、ポメラニアンにストレスを与え、感情表現を抑制させてしまう可能性があります。
- 一貫性のないしつけ:同じ行動をしても、その時の飼い主の気分で褒められたり叱られたりすると、犬は何を基準に行動すれば良いか分からなくなり、混乱してしまいます。
- 過度に厳しい叱り方:体罰や大きな声での叱責は、犬に恐怖心を与えるだけです。飼い主に対して萎縮してしまい、感情を表に出さなくなることがあります。
犬は飼い主を喜ばせたいと常に思っています。
信頼関係がしっかりと築けていれば、犬は安心して感情を表現することができます。
愛犬が尻尾を振らないと感じたら、一度、日頃の接し方やコミュニケーションの取り方を見直してみるのも良いかもしれません。
ストレスへの対策はできているか
人間と同じように、犬もストレスを感じると心身に様々な影響が出ます。
尻尾を振らなくなるのも、ストレスが原因である可能性が十分に考えられます。
ポメラニアンは特に環境の変化に敏感な犬種なので、ささいなことでもストレスを感じやすい傾向があります。
主なストレスの原因としては、以下のようなものが挙げられます。
| ストレスの要因 | 具体的な例 |
|---|---|
| 環境の変化 | 引っ越し、模様替え、新しい家族やペットが増えた |
| 運動不足 | 散歩の時間が短い、室内での遊びが足りない |
| コミュニケーション不足 | 長時間の留守番、飼い主がかまってくれない |
| 不快な環境 | 騒音、部屋が暑い・寒い、トイレが汚れている |
ストレス対策のポイント
これらのストレスを軽減するためには、安心できる静かな環境を整え、毎日の散歩や遊びの時間を十分に確保することが重要です。
また、留守番の前後はもちろん、在宅時にも積極的にスキンシップを取り、愛情を伝えてあげましょう。
愛犬がリラックスできる環境を整えることが、豊かな感情表現につながります。
ポメラニアンが尻尾を振らない時の気持ち

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- 尻尾の仕草から感情を読み解く
- 尻尾が上がっている場合の心理状態
- 尻尾が下がっている場合の心理状態
- なぜ自分の尻尾を噛むことがあるのか
- ポメラニアンが尻尾を振らない理由を知ろう
尻尾の仕草から感情を読み解く

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ポメラニアンが尻尾を振らなくても、その位置や微妙な動きから気持ちを読み取ることが可能です。
ポメラニアンの尻尾は背中の上で巻いている「巻き尾」のため、他の犬種に比べて感情が分かりにくいこともありますが、注意深く観察することで様々なサインを見つけられます。
尻尾は、犬にとって非常に重要なコミュニケーションツールです。
ここでは、基本的な尻尾の仕草と、それに伴う感情の目安を解説します。
愛犬の気持ちを理解する参考にしてください。
| 尻尾の状態 | 考えられる感情・心理 |
|---|---|
| 高く上げて振る | 嬉しい、興奮、自信、優位性のアピール |
| 水平(中間)の位置 | 注意、警戒、リラックス |
| 低く下げて振る | 不安、恐怖、服従、体調不良 |
| 足の間に巻き込む | 強い恐怖、ストレス、降参 |
| 動きが硬直する | 集中、緊張、次の行動を考えている |
これらのサインはあくまで一般的な目安です。
尻尾の動きだけでなく、耳の向き、表情、体の姿勢など、全身のボディランゲージを総合的に見て判断することが、愛犬の気持ちをより正確に理解するコツです。
尻尾が上がっている場合の心理状態
ポメラニアンの尻尾が背中の上で高く上がっている時、多くの場合はポジティブな感情を示しています。
例えば、飼い主が帰宅した時や、おやつをもらえる時などに見られるでしょう。
具体的には、以下のような心理状態が考えられます。
- 喜び・興奮:「嬉しい!」「楽しい!」といった気持ちが高まっている状態です。尻尾をブンブンと力強く振っている場合は、喜びを全身で表現しています。
- 自信・優位性:他の犬と会った時などに尻尾を高く上げるのは、「僕の方が強いぞ」という自信の表れや、自分の存在をアピールする意味合いがあります。
- 興味・関心:何かに興味を引かれている時にも、尻尾はピンと上がります。「あれは何だろう?」と注意を向けているサインです。
ただし、尻尾を高く上げたまま小刻みに震わせるように振る場合は、喜びではなく威嚇や攻撃性のサインである可能性もあるため注意が必要です。
相手に対して緊張感を持ち、自分が優位であることを示そうとしています。
尻尾が下がっている場合の心理状態
逆に、いつもは上がっているポメラニアンの尻尾が力なく下がっている場合は、ネガティブな感情のサインであることが多いです。
何らかの不安や恐怖を感じているのかもしれません。
尻尾が下がっている時の主な心理状態は以下の通りです。
- 不安・恐怖:雷や花火の音、知らない場所、苦手な犬など、怖いものに遭遇した時に見られます。尻尾を足の間に巻き込んでいる場合は、強い恐怖を感じている証拠です。
- 服従・降参:飼い主に叱られた時や、自分より強い相手に対して「敵意はありません」と示す時に尻尾を下げます。
- 体調不良:どこかに痛みがあったり、気分が悪かったりする時にも尻尾は下がります。元気や食欲もない場合は、特に注意が必要です。
- しょんぼりしている時:飼い主にかまってもらえず、寂しい気持ちの時にも尻尾が下がることがあります。
前述の通り、病気や怪我が原因で尻尾が下がっている可能性もあります。
普段の様子と違うと感じたら、安易に判断せず、愛犬の体を優しくチェックしたり、動物病院に相談したりすることを検討してください。
なぜ自分の尻尾を噛むことがあるのか

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自分の尻尾をぐるぐると追いかけたり、ガジガジと噛んだりする行動は、一見すると遊んでいるように見えるかもしれません。
しかし、この行動が執拗に続く場合は「常同行動(常同障害)」と呼ばれる、ストレスが原因の行動である可能性が高いです。
常同行動は、心のバランスを取ろうとして同じ行動を繰り返してしまう状態で、主な原因として以下が考えられます。
- 運動不足やエネルギーの発散不足
- 長時間の留守番による寂しさや不安
- 飼い主とのコミュニケーション不足
また、心理的な原因だけでなく、身体的な問題が隠れていることもあります。
尻尾の付け根あたりに皮膚炎やノミ・ダニによるかゆみ、あるいは怪我による痛みや違和感があり、それを気にして噛んでしまうケースです。
この行動は、エスカレートすると尻尾を噛みちぎって傷つけてしまう自傷行為につながることもあります。
単なる癖だと軽視せず、ストレスの原因を取り除いてあげたり、皮膚の状態を確認したりして、必要であれば専門家に相談しましょう。
ポメラニアンが尻尾を振らない理由を知ろう

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この記事では、ポメラニアンが尻尾を振らない様々な理由と、その背後にある気持ちについて解説してきました。
最後に、記事の要点をまとめます。
まとめ
- ポメラニアンは必ずしも尻尾で感情を表現する犬種ではない
- 子犬期の社会化経験が不足し尻尾を振ることを学習していない場合がある
- 性格は活発で愛情深いが警戒心が強く繊細な一面も持つ
- ストレスが原因で感情表現が乏しくなり尻尾を振らなくなることがある
- 運動不足やコミュニケーション不足は大きなストレス要因となる
- 引っ越しなどの環境の変化は敏感に感じ取り不安を抱きやすい
- 病気や怪我の痛みで尻尾を振りたくても振れない可能性がある
- 椎間板ヘルニアや関節の痛みなどが原因として考えられる
- 急に振らなくなったなど普段と違う様子なら動物病院へ相談する
- 尻尾を振らなくても尻尾の位置で感情をある程度読み取ることが可能
- 尻尾が通常より高く上がっている場合は自信や興奮のサイン
- 尻尾が下がっている場合は不安や恐怖、体調不良のサイン
- 自分の尻尾を執拗に噛む行動はストレスや病気の可能性がある
- 常同行動は心の病気のサインかもしれないため注意が必要
- 日頃から愛犬の様子をよく観察し小さな変化に気づくことが大切
ポメラニアンが尻尾を振らない理由は、その子の個性や社会化期の経験といった心配のないものから、ストレスや病気が隠れている重要なサインまで多岐にわたります。
尻尾を振るか振らないかという一点だけで一喜一憂せず、その位置や硬さ、さらには表情や耳の動きといった体全体のサインを観察することが、愛犬の本当の気持ちを理解する鍵となります。
この記事で得た知識をヒントに、あなたのポメラニアンが出している小さなサインを見逃さず、より深いコミュニケーションを育んでください。
愛犬との信頼関係を一層深め、毎日をさらに豊かなものにするきっかけとなれば幸いです。


