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シュッとした立ち姿と光沢のある被毛が美しいピンシャー種。
中でも「ジャーマンピンシャー」と「ミニチュアピンシャー」は見た目がよく似ていますが、実は多くの違いがあることをご存知でしょうか。
これから犬を迎えたいと考えている方の中には、この2犬種の違いについて詳しく知りたい方も多いはずです。
この記事では、ジャーマンピンシャーとミニチュアピンシャーの違いについて、その性格や特徴、さらには大きさや体重といった基本的な情報から、日々の生活に関わる散歩時間や抜け毛、カットの必要性まで詳しく解説します。
また、家族として迎える上で気になる人間の子供との相性や、飼いやすさの観点、さらには生涯を共にする上で知っておきたい寿命や注意すべき病気、そして現実的な食費に至るまで、あらゆる疑問にお答えしていきます。
ポイント
- ジャーマンピンシャーとミニチュアピンシャーの見た目や性格の違いがわかる
- 飼育する上での具体的な違い(散歩、手入れ、費用)を理解できる
- 家族構成に合わせた犬種の選択肢が明確になる
- それぞれの犬種がかかりやすい病気や寿命について知れる
ジャーマンピンシャーとミニチュアピンシャーの違い【基本編】

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- 大きさや体重はどれくらい違う?
- 活発で賢い性格や特徴を比較
- 初心者にとっての飼いやすさは?
- 人間の子供との相性は良い?
大きさや体重はどれくらい違う?
ジャーマンピンシャーとミニチュアピンシャーの最も分かりやすい違いは、その体の大きさです。
結論から言うと、ジャーマンピンシャーは中型犬、ミニチュアピンシャーは小型犬に分類され、両者には明確な体格差があります。
実は歴史的に見ると、ジャーマンピンシャーがミニチュアピンシャーやドーベルマンの基礎となった犬種であり、ジャーマンピンシャーの方が古くから存在します。
つまり、ミニチュアピンシャーはジャーマンピンシャーを小型化した犬種というわけです。
「ミニチュア」という名前から、ドーベルマンを小さくしたのがミニチュアピンシャーだと思われがちですが、歴史の順番は「ジャーマンピンシャー → ドーベルマン / ミニチュアピンシャー」なんですよ。
具体的な数値の違いを以下の表にまとめました。
| 項目 | ジャーマンピンシャー | ミニチュアピンシャー |
|---|---|---|
| 分類 | 中型犬 | 小型犬(トイグループ) |
| 体高 | 45~50cm | 25~30cm |
| 体重 | 14~20kg | 4~6kg |
| 原産国 | ドイツ | |
このように、体高も体重も倍以上の差があることがわかります。
成犬になれば一目瞭然ですが、子犬の頃は見間違えることもあるかもしれません。
犬種を選ぶ際の基本的な違いとして、まずこのサイズ感を覚えておきましょう。
活発で賢い性格や特徴を比較
ジャーマンピンシャーとミニチュアピンシャーは、どちらも非常に賢く、活発で、遊び好きな性格をしています。
しかし、体の大きさが違うように、その性格や気質にも少し違いが見られます。
ジャーマンピンシャーの性格・特徴
ジャーマンピンシャーは、祖先が農場でネズミなどの害獣駆除をしていたこともあり、番犬としての気質が強く、警戒心と落ち着きを兼ね備えています。
家族に対しては非常に愛情深く忠実ですが、見知らぬ人には少し距離を置くことがあります。
また、辛抱強さも持ち合わせているため、しつけやトレーニングにも真摯に取り組むことができる知的な犬種です。
ミニチュアピンシャーの性格・特徴
ミニチュアピンシャーは、「トイグループの王者」という異名を持つほど、エネルギッシュで自信に満ちあふれています。
活発で遊び好き、そして飼い主に対しては甘えん坊な一面も見せます。
勇敢で負けん気が強い反面、陽気で人懐っこい性格から、家庭犬として非常に人気があります。
ただし、警戒心から吠えやすい傾向があるため、子犬の頃からの社会化が重要です。
性格のポイントまとめ
- ジャーマンピンシャー:落ち着きがあり番犬向き。家族に忠実で辛抱強い。
- ミニチュアピンシャー:エネルギッシュで遊び好き。自信家で甘えん坊な一面も。
初心者にとっての飼いやすさは?

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飼いやすさという観点では、どちらの犬種も賢く物覚えが良いため、しつけの基本は入りやすいと言えます。
ただし、両者ともに頑固で自我が強い一面も持っているため、犬を初めて飼う方にとっては少し根気が必要になるかもしれません。
ジャーマンピンシャーは中型犬で力が強いため、散歩の際の引っ張り癖などをつけないよう、しっかりとしたリーダーウォークのトレーニングが不可欠です。
テリトリー意識も強めなので、無駄吠えをさせないためのしつけも大切になります。
一方、ミニチュアピンシャーは体が小さいため、力の面では女性や高齢の方でも扱いやすいでしょう。
しかし、その小さな体に反して非常に活発で、警戒心から吠えやすい傾向があります。
集合住宅などで飼育する場合は、無駄吠えのコントロールが重要なポイントです。
しつけの一貫性が重要
どちらの犬種も非常に賢いため、飼い主の指示に一貫性がないと、言うことを聞かなくなってしまうことがあります。
「ダメなことはダメ」と、家族全員でルールを統一し、辛抱強くトレーニングを続けることが信頼関係を築く鍵となります。
人間の子供との相性は良い?
ジャーマンピンシャーもミニチュアピンシャーも、基本的には家族への愛情が深い犬種なので、正しい関係性を築くことができれば子供とも仲良くできます。
特にジャーマンピンシャーは、元々の性質として忍耐強さを持ち合わせているため、子供の予測不能な動きにも比較的寛容に対応できると言われています。
家族を守るという意識も強いため、頼もしい遊び相手になってくれるでしょう。
ミニチュアピンシャーは、遊び好きな性格が子供とマッチし、一緒になって走り回る良いパートナーになります。
ただし、体が小さく骨が華奢なため、子供が乱暴に扱ってケガをさせてしまわないよう、大人がしっかりと監督する必要があります。
どちらの犬種を迎える場合でも、犬と子供、お互いにとって安全で快適な環境を作るためには、大人が「犬との正しい接し方」を子供に教えることが非常に重要です。
犬を尊重し、優しく接することを伝えましょう。
ジャーマンピンシャーとミニチュアピンシャーの違い【飼育編】

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- 毎日の散歩時間はどのくらい必要?
- 抜け毛のお手入れは大変?
- 定期的なトリミングのカットは不要?
- 月々の食費の目安をチェック
- 平均寿命はどれくらい違うの?
- 気をつけたい病気と医療費
毎日の散歩時間はどのくらい必要?
体の大きさに比例して、必要とする運動量にも違いがあります。
どちらも活発な犬種ですが、特にジャーマンピンシャーは多くの運動を必要とします。
ジャーマンピンシャーの散歩は、1回1時間以上を目安に、1日2回行うのが理想的です。
ただ歩くだけでなく、ドッグランなどで思い切り走らせてあげる時間を作ることで、ストレスを発散させ、美しい筋肉を維持することができます。
ミニチュアピンシャーは、小型犬ですが運動能力は非常に高いです。
散歩は1回30分程度を1日2回が目安となります。
ボール遊びなども取り入れて、エネルギーを発散させてあげると喜ぶでしょう。
運動不足は問題行動の原因に
必要な運動量が満たされないと、ストレスから無駄吠えやイタズラなどの問題行動につながることがあります。
天候が悪い日でも、室内で知育トイなどを使って遊んであげる工夫が必要です。
抜け毛のお手入れは大変?

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お手入れの面では、どちらの犬種も飼い主にとって大きな負担はありません。
ジャーマンピンシャーもミニチュアピンシャーも、光沢のある短毛のスムースコートが特徴です。
被毛は下毛のないシングルコートのため、抜け毛は比較的少ないです。
そのため、日常のお手入れは週に1〜2回程度、ラバーブラシなどで皮膚をマッサージするようにブラッシングしてあげるだけで十分です。
これにより、血行が促進され、美しい被毛を保つことができます。
ただし、春と秋の換毛期には普段より抜け毛が増えるため、ブラッシングの頻度を少し増やしてあげると良いでしょう。
定期的なトリミングのカットは不要?
結論から言うと、ジャーマンピンシャーもミニチュアピンシャーも、定期的なトリミング(カット)は必要ありません。
前述の通り、どちらも被毛が伸び続ける犬種ではないため、カットの必要性はないのです。
シャンプーは月に1回程度を目安に、汚れが気になった時に行ってあげましょう。
カットは不要ですが、以下のような日常的なケアは定期的に行いましょう。
- 爪切り(月に1回程度)
- 耳掃除(汚れをチェックし、必要であれば)
- 歯磨き(毎日が理想)
- 肛門腺絞り(月に1回程度)
月々の食費の目安をチェック

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毎月のランニングコストとして気になる食費ですが、これは体の大きさに比例して差が出ます。
当然ながら、体の大きいジャーマンピンシャーの方が食費は高くなります。
あくまで目安ですが、月々の食費は以下のようになります。
- ジャーマンピンシャー:約8,000円~15,000円
- ミニチュアピンシャー:約3,000円~6,000円
これは、与えるドッグフードのグレードによって大きく変動します。
成長期や活動量、年齢によっても必要なカロリーは変わるため、愛犬の体型をよく観察しながらフードの量を調整してあげることが大切です。
平均寿命はどれくらい違うの?
平均寿命については、両犬種で大きな差はありません。
一般的に、犬は体のサイズが小さい方が長寿の傾向があると言われています。
- ジャーマンピンシャーの平均寿命:12歳~14歳
- ミニチュアピンシャーの平均寿命:12歳~15歳
どちらの犬種も、日々の健康管理や適切な食事、十分な運動を心がけることで、平均寿命以上に長く一緒に過ごせる可能性が高まります。
定期的な健康診断を受け、病気の早期発見に努めることも重要です。
気をつけたい病気と医療費

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犬種によって、かかりやすい病気の傾向があります。
家族として迎える前に、どのような病気に注意すべきかを知っておくことは非常に大切です。
ジャーマンピンシャーが注意したい病気
ジャーマンピンシャーは、第二次世界大戦後にごく少数の犬から繁殖を再開したという歴史的背景から、遺伝性疾患のリスクを念頭に置く必要があります。
- 股関節形成不全:股関節が正常に形成されず、痛みや歩行異常が起こる病気。
- フォン・ヴィレブランド病:血液が固まりにくくなる遺伝性の病気。
- 遺伝性白内障:若齢で水晶体が白く濁ってしまう病気。
ミニチュアピンシャーが注意したい病気
ミニチュアピンシャーは、その華奢な骨格に起因する関節系の病気に注意が必要です。
- 膝蓋骨脱臼(パテラ):膝のお皿の骨がずれてしまう病気。小型犬に非常に多い。
- レッグ・ペルテス病:大腿骨頭への血流が悪くなり、骨頭が壊死してしまう病気。
- 糖尿病:血糖値が高くなる病気で、遺伝的な要因も指摘されています。
ペット保険も検討を
万が一の病気やケガに備え、ペット保険への加入を検討するのも一つの方法です。
特に遺伝性疾患は治療が長期にわたる場合もあるため、経済的な負担を軽減するためにも有効な選択肢と言えるでしょう。
犬種の情報については、信頼できる機関の情報を参考にすることをおすすめします。
ジャーマンピンシャーとミニチュアピンシャーの違い【まとめ】
この記事で解説してきた、ジャーマンピンシャーとミニチュアピンシャーの違いを最後にまとめます。
まとめ
- ジャーマンピンシャーは中型犬、ミニチュアピンシャーは小型犬
- 大きさや体重には明確な差がある
- 歴史的にはジャーマンピンシャーが祖先にあたる犬種
- どちらも賢く活発だが性格に細かい違いがある
- ジャーマンピンシャーは落ち着きのある番犬気質
- ミニチュアピンシャーはエネルギッシュで遊び好き
- しつけにはどちらも飼い主の一貫性と根気が必要
- 必要な運動量はジャーマンピンシャーの方が格段に多い
- 抜け毛は少なくお手入れは比較的楽な犬種
- トリミングのカットは基本的に不要
- 体格差から食費はジャーマンピンシャーの方が高くなる
- 平均寿命に大きな差はない
- それぞれ注意すべき遺伝性疾患がある
- ジャーマンピンシャーは日本では希少な犬種
- 違いを理解して自分のライフスタイルに合う犬種を選ぶことが大切
ジャーマンピンシャーとミニチュアピンシャーの違いについて、大きさや性格から日々の飼い方まで詳しく解説しました。
見た目の印象は似ていても、中型犬と小型犬という根本的な違いがあり、必要な運動量や日々の接し方も大きく異なります。
ジャーマンピンシャーの落ち着いた番犬としての魅力、ミニチュアピンシャーの活発で愛らしい魅力、どちらもかけがえのない個性です。
ご自身の住環境や家族構成、ライフスタイルをしっかりと見つめ直し、どちらの犬種とより幸せな時間を共有できるかを考えることが、後悔しないための最も重要なステップと言えるでしょう。
この記事が、あなたにとって最高のパートナーを見つけるための一助となれば幸いです。


