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こんにちは。高須商店、監修者の「細峰」です。
大きくて優しくて、本当に魅力的なバーニーズマウンテンドッグ。
その穏やかな瞳と堂々とした姿に惹かれる方は、私も含めて本当に多いですよね。
私も大好きな犬種の一つです。
でも、これから家族に迎えたい、あるいは今一緒に暮らしている方が「バーニーズマウンテンドッグ 短命 理由」と検索してしまう気持ち、少しわかる気がします。
「短命」という言葉は、飼い主さんや未来の飼い主さんにとって、とても重く、不安になるキーワードだと思います。
その背景には、やはり他の大型犬と比べても平均寿命が短いという現実や、遺伝的な病気のリスクについての不安があるんだと思います。
特に「がん(組織球性肉腫)」にかかりやすいという話や、突然死にもつながる「胃捻転」や「心臓病」のこと。
さらには「股関節形成不全」といった大型犬特有の悩みまで、心配事は尽きないかもしれません。
でも、どうして短命といわれるのか、その理由や具体的な病気の初期症状を知っておくことは、すごく大切です。
知っていれば、日々の飼い方で予防できることもありますし、万が一の時も早期発見につながるかもしれませんよね。
リスクを知ることは、不安になるためではなく、愛犬と一日でも長く、健やかに暮らすための「準備」だと私は思っています。
この記事では、バーニーズマウンテンドッグと少しでも長く、元気に暮らすために知っておきたい健康リスクや、私たちが日常でできるケアについて、一緒に見ていけたらなと思います。
ポイント
- バーニーズが短命とされる医学的な背景
- 特に注意すべき3つの重大な病気(癌・胃捻転・心臓病)
- 飼い主さんができる具体的な予防策と飼い方のコツ
- 日々の健康チェックと早期発見の重要性
バーニーズマウンテンドッグが短命の理由と主な病気

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まず、バーニーズマウンテンドッグ(BMD)が「短命」と言われてしまう背景にある、主な健康リスクについて知っておきましょう。
もちろん、これからお話しすることは「かかりやすい傾向がある」という話で、すべてのバーニーズが当てはまるわけではありません。
個体差は非常に大きいです。それでも、犬種としての傾向を知っておくことは、日々の暮らしの中で「あれ?」と気づくための大切なアンテナになってくれるはずです。
癌(組織球性肉腫)の初期症状
バーニーズの寿命を考える上で、どうしても避けて通れないのが「腫瘍」の問題かなと思います。
ペット保険の統計データを見ても、バーニーズは他の犬種に比べて腫瘍性疾患での保険金請求の割合が高いという報告があります。
中でも特に、「組織球性肉腫(そしききゅうせいにくしゅ)」という特異的な悪性腫瘍にかかりやすい犬種として知られています。
これは免疫系の細胞が癌化するもので、非常に進行が速く、悪性度が高いことが多いんです。
致命的な「わかりにくさ」
この病気の最も厄介なところは、初期症状がすごく分かりにくいことなんです。
「なんだか最近よく寝ているな」「食欲が落ちたかも」「ちょっと痩せた?」といった、一見すると「歳をとったからかな?」「夏バテかな?」と思ってしまいがちな、非常に曖昧な変化。
これが、実は病気のサインかもしれないんですね。
飼い主さんだからこそ気づける、「いつもの元気さ」とのわずかな違い。
例えば、「散歩に行きたがらない」「大好きなおやつへの反応が鈍い」「ふとした時の表情が暗い」といったことです。
進行すると、発生した場所によって貧血(歯茎が白くなるなど)、呼吸器の症状(咳、呼吸が速い)、消化器症状(嘔吐や下痢)、足を引きずるなどの症状が出てくることもありますが、初期の「なんとなく元気がない」というサインを見逃さないことが、本当に重要になってきます。
初期症状を見逃さないで
組織球性肉腫は進行が速いことが多いと言われています。
「歳のせい」と決めつけず、些細な変化でも「おかしいな」と思ったら、動物病院で相談することが早期発見につながるかもしれません。
その際、「組織球性肉腫が心配な犬種である」ということを獣医師さんに伝えるのも良いと思います。
突然死を招く胃捻転の予防策

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次に、癌と並んで怖いのが「胃拡張・胃捻転症候群(GDV)」です。
これはバーニーズのような胸が深い大型犬に特に起こりやすく、発症からわずか数時間で命を落とす危険性がある、本当に緊急性の高い病気です。
胃がガスや食物でパンパンに膨らみ(胃拡張)、さらにその胃がねじれてしまう(胃捻転)病態です。
ねじれることで胃の入口と出口が塞がれ、血流も止まってしまい、胃が壊死したり、ショック状態に陥ったりします。
この病気は「予防策」が非常に重要ですが、まずは「万が一のサイン」を知っておくことが命を救います。
飼い主さんが警戒すべきサインは以下の通りです。
| 症状 | 解説 |
|---|---|
| 落ち着きがない | ソワソワ歩き回る、苦しそうに寝そべろうとするができない。 |
| 空嘔吐(からおうと) | 吐きたそうにする(「オエッ」となる)が、何も吐き出せない。 |
| 腹部の膨満 | お腹がパンパンに張ってくる。叩くとポンポンと鼓のよう音がすることも。 |
| 大量のよだれ | 吐けないため、よだれをダラダラと流し続ける。 |
| 呼吸が荒い | ハアハアと浅く速い呼吸になる。苦しそう。 |
もし、これらの症状が一つでも見られたら、様子を見るなんてことは絶対にせず、すぐに夜間救急でも動物病院に連絡してください。
「夜中だから朝まで待とう」という判断が命取りになります。
これは時間との勝負なんです。
心臓病(拡張型心筋症)の兆候
もう一つ、静かに進行するのが「拡張型心筋症(DCM)」という心臓の病気です。
心臓の筋肉(心筋)が薄く伸びてしまい、血液を送り出すポンプ機能(収縮力)が低下してしまうんですね。
これもバーニーズが好発犬種の一つとされています。
この病気もまた、初期はほとんど症状が出ません。
無症状のまま進行する「ステルス性」が特徴です。
健康診断の聴診で「心雑音があるね」「不整脈があるかも」と偶然見つかることも多いみたいです。
見逃しやすい心不全のサイン
病気が進行して心臓のポンプ機能が著しく低下し、体に血液がうまく回らなくなると(心不全)、以下のような症状が出てきます。
- 咳が出る : 特に安静時や夜間、寝起きなどに「ケホッケホッ」という乾いた咳が出ることがあります。肺に水がたまる(肺水腫)兆候かもしれません。
- 疲れやすくなる : 以前は喜んで行っていた散歩に行きたがらない、すぐに座り込む、元気がなくなる。
- 呼吸が速い : 安静にしている時でも、呼吸が浅く速い。
- 失神してしまう : 不整脈や酸欠で、突然バタッと倒れてしまうこともあります。
「咳」や「疲れやすい」というのも、年齢や他の病気(気管支炎など)のせいにしてしまいがちですが、心臓病のサインかもしれないと疑う視点も大切ですね。
特にバーニーズの場合は、定期健診で心臓の音をしっかり聴いてもらうことが重要です。
大型犬ならではの遺伝的リスク

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バーニーズは、その成り立ち(犬種の歴史)から、遺伝的に特定の病気にかかりやすい側面があると言われています。
スイスの山岳地帯で荷車を引いたり、家畜の番をしたりと、重労働をこなしてきた歴史がありますが、その過程で特定の遺伝的素因が濃縮された可能性も指摘されています。
先ほど挙げた「組織球性肉腫」も、遺伝的要因が強く関わっていると考えられています。
また、大型犬の宿命とも言える「股関節形成不全」などの関節疾患もリスクの一つです。
これは子犬の頃の急速な成長期に、骨や関節に負担がかかることが発症の引き金の一つとなります。
体重管理や運動の仕方が非常に重要になってきますね。
残念ながら、組織球性肉腫や拡張型心筋症のような遺伝的素因が強く関わる病気は、飼い主さんができる確実な「予防法」がないのが現状です。
だからこそ、「早期発見」と、病気と「うまく付き合っていく」(QOL=生活の質を維持する)ための獣医療が何よりも重要になるんですね。
平均寿命と病気の関係
バーニーズマウンテンドッグの平均寿命は、他の大型犬種(例えばゴールデン・レトリバーやラブラール・レトリバーなど)と比べても、やや短い傾向にあると言われています。
統計データによって幅はありますが、おおよそ7~10歳あたりが中央値として挙げられることが多いでしょうか。
例えば、アニコム損害保険株式会社が発表している「家庭どうぶつ白書」のようなペットの統計データを見ると、犬全体の平均寿命は延びている一方で、バーニーズのような特定の犬種では、平均寿命が伸び悩んでいる傾向も見受けられます。
(出典:アニコム ホールディングス株式会社『家庭どうぶつ白書』)
この「平均寿命が短い」という統計的な事実は、ここまで見てきたような特定の致死的な病気(特に癌や胃捻転、心疾患)にかかる確率が他の犬種より高いことが、統計上の平均値を押し下げている大きな理由と考えられます。
いわゆる「老衰」という穏やかな終点を迎える前に、特定の病気によってその生涯を終える子が多い傾向にある、というのが医学的な背景のようです。
バーニーズマウンテンドッグの短命な理由と飼い方

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遺伝的なリスクはどうしようもない部分もありますが、日々の「飼い方」を工夫することで予防できる病気も確実にあります。
バーニーズの短命の理由とされるリスクを、少しでも減らすための日常ケアを見ていきましょう。
ここからは、私たちが具体的に行動できることに焦点を当てます。
胃捻転を防ぐ食事と運動の管理
突然死のリスクがある「胃捻転」は、飼い主さんの日々の管理で、発症リスクを大幅に下げることができる病気です。
これは遺伝ではなく、完全に「管理」の領域。だからこそ、絶対に実践してほしいなと思います。
胃捻転予防のための4つのルール
- 食事は小分けに : 1日の量を2~3回(できれば3回)に分け、一度に大量のフードが胃に入るのを防ぎます。
- 食後の安静は絶対 : 食後少なくとも1時間(できれば2時間)は、散歩や遊びなどの激しい運動は厳禁です。胃が揺れるのを防ぎます。
- 早食い防止 : 空気を一緒に飲み込むのを防ぐため、早食い防止用の食器(スローフィーダー)を使うのもおすすめです。
- 食器の高さ : 以前は高い方が良いとも言われましたが、近年の獣医学的な知見では、逆にリスクを高める可能性も指摘されています。地面に近い低い位置で食べさせる方が安全かもしれません。
なぜこのルールが重要なのか
「食事の小分け」は、胃が一度にパンパンに膨らむのを防ぐため。
「早食い防止」は、フードと一緒に大量の空気を飲み込む(呑気症)のを防ぐためです。
ガスが溜まれば、それだけ胃拡張のリスクが上がります。
そして最も重要なのが「食後の安静」。
食後すぐに運動すると、重くなった胃が振り子のように揺れやすくなり、ねじれる(捻転する)最大のきっかけになります。
このルールを守るだけでも、胃捻転のリスクはかなり減らせるはずです。
暑さに弱いため熱中症対策は必須

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バーニーズの健康管理で、胃捻転と同じくらい重要なのが「暑さ対策」です。
これは彼らのルーツを考えれば当然のことかもしれません。
彼らはスイスの寒い山岳地帯出身で、フワフワの分厚いアンダーコートと、長いオーバーコートからなる「ダブルコート」を持っています。
この被毛は寒さには滅法強いですが、熱を体に溜め込みやすいため、日本の高温多湿な夏は、彼らにとって本当に過酷です。
室内飼育の徹底
まず大前提として、バーニーズはエアコンで温度・湿度管理ができる「室内飼育」が必須の犬種だと私は思います。
屋外での飼育は熱中症のリスクが極めて高く、命に関わります。
散歩の時間帯と留守番
夏場の散歩は、気温が上がる前(早朝)か、日が落ちてアスファルトの熱が冷めた後(夜間)に限定しましょう。
日中のアスファルトは火傷するほどの熱さですし、気温が下がらないうちは夜でも危険です。湿度も大敵ですね。
また、留守番させる時もエアコンは絶対に必須です。
「ちょっとの時間だから」とエアコンを消して出かけるのは、非常に危険です。
詳しい犬の熱中症対策については、他の記事でも解説していますが、バーニーズは特に注意が必要ですね。
子犬からの関節ケアと運動方法

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大型犬は、子犬の頃(~約18ヶ月)に体が急速に成長します。
この時期の運動管理が、将来の関節の健康(股関節形成不全などのリスク)を左右します。
成長期の関節はとてもデリケートです。
急速な体重増加に、骨や軟骨の成長が追いつかないんですね。
この時期に関節に過度な負担をかけると、将来的な関節疾患のリスクを高めてしまいます。
避けるべき運動と推奨される運動
具体的には、硬い地面(アスファルトなど)での全力疾走、ジャンプを繰り返す遊び(フリスビーなど)、階段の頻繁な昇り降りといった、関節に強い衝撃がかかる運動は避けるべきです。
推奨されるのは、「短時間で頻繁な遊び」です。
例えば、芝生のような柔らかい地面の上で、短時間の「持ってこい」遊びをしたり、コントロールされた環境で自由に探索させたりするのが良いですね。
関節に負担をかけずに筋肉を育てることができます。
また、室内環境も重要です。
ツルツル滑るフローリングは、踏ん張る際に関節に大きな負担をかけます。
滑り止めのマットを敷くなど、犬がフローリングで滑る対策を講じることも、関節ケアにつながります。
ストレス管理と室内飼育の重要性
バーニーズは、その歴史(常に人と一緒に作業してきた)から、非常に穏やかで愛情深く、家族と一緒にいることが大好きな犬種です。
彼らにとって最大のストレスは「孤独」。
家族から隔離されて、一人ぼっちでいる時間が長いと、大きなストレスを感じてしまいます。
ストレスは免疫力にも影響すると言われていますから、健康維持のためにも、できるだけ家族のそば(室内)で暮らせる環境が理想です。
これは暑さ対策だけでなく、彼らの精神的な安定(ウェルビーイング)のためにも非常に重要です。
また、彼らは賢く、作業意欲も持っています。
ただ散歩に行くだけでなく、知育玩具を使ったり、ノーズワーク(匂いを使った遊び)をしたり、簡単なトレーニングを取り入れたりして、「精神的な刺激」を与えてあげることも大切です。
適度な運動と精神的な満足感が、ストレスを発散させ、心身の健康につながります。
寿命を延ばすための健康チェック

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癌や心臓病など、予防が難しい病気に対して私たちができる唯一のことは、「超早期発見」です。
そのために、日々の健康チェックと定期的な健康診断が欠かせません。
「歳のせいかな?」と思うような小さな変化を見逃さないでください。
毎日チェックしたい「いつもと違う」サイン
- 食欲・飲水 : 食欲がない、ムラがある。水を飲む量が急に増えた(心疾患や他の内分泌疾患の可能性も)。
- 元気・様子 : 寝てばかりいる、疲れやすそう(癌、心疾患)。
- 呼吸・咳 : 咳をする(心疾患)、呼吸が荒い(癌、心疾患、胃捻転)。
- 体重 : 食欲はあるのに痩せてきた(癌など)。
- 排泄物 : おしっこの色や量、うんちの状態がいつもと違う。
自宅でできる簡単チェックと定期健診
毎日のスキンシップのついでに、体を触ってリンパ節(顎の下、脇の下、内股など)が腫れていないかチェックしたり、歯茎の色を見て白っぽくないか(貧血)を確認したりするのも良い習慣です。
こうしたサインに気づいたら、すぐに動物病院で相談しましょう。
そして、特に症状がなくても、定期的な健康診断(血液検査やレントゲン、超音波検査など)は、バーニーズのような大型犬では特に重要です。
若いうちは年1回、5~6歳を過ぎたシニア期に入ったら、半年に1回のチェックをお勧めしたいなと思います。
バーニーズマウンテンドッグ短命の理由と向き合う
バーニーズマウンテンドッグが短命とされる理由には、組織球性肉腫のような「避けられない遺伝的リスク」と、胃捻転や熱中症のような「避けられる管理リスク」の両方があることが分かりました。
飼い主である私たちができることは、まず日々の飼い方(食事、運動、温度管理)で防げるリスクを徹底的に防ぐこと。
これは、バーニーズと暮らす上での責務とも言えるかもしれません。
そして、予防できない病気に対しては、誰よりも早く「いつもと違う」に気づいてあげること。
その小さなサインを見逃さない飼い主さんの「観察眼」こそが、彼らの命を救い、QOLを支える最大の武器になります。
確かに健康リスクは他の犬種より多いかもしれませんが、それを補って余りあるほどの大きな愛情と癒しをくれる存在です。
リスクを知って不安になるのではなく、リスクを知っているからこそできる最善のケアを日々実践し、彼らとの濃密でかけがえのない時間を大切に過ごしていく。
それが、バーニーズマウンテンドッグという素晴らしい犬種と「向き合う」ことなのかなと、私は思います。
ポイント
この記事で紹介した内容は、一般的な情報に基づくものであり、個々の犬の健康状態を保証するものではありません。
病気の兆候や体調の変化に気づいた場合は、決して自己判断せず、速やかに獣医師の診察を受けてください。
定期的な健康診断を受けることも強く推奨します。


