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チワワの頭の良さについて調べているあなたは、その知能レベルがどれくらいなのか、また頭が悪いと言われる理由が気になっているのではないでしょうか。
チワワはその可愛らしい見た目から、性格や特徴が誤解されがちですが、実は賢い犬種です。
この記事では、子犬の頃からの社会化の重要性や、しつけのコツ、適切な運動量と食事管理といった注意点まで、チワワの賢さを最大限に引き出す方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。
ポイント
- チワワが「頭が悪い」と誤解される本当の理由
- 客観的なデータで見るチワワの知能レベルと賢さ
- チワワの賢さを最大限に引き出す具体的なしつけのコツ
- 健康で賢い子に育てるための管理方法と注意点
チワワの頭の良さに関する誤解と真実
- チワワが頭が悪いと言われる理由
- チワワは実は賢い犬種
- チワワの知能レベルはどれくらい?
- 賢さにつながるチワワの性格
- 賢いからこそのチワワの特徴
チワワが頭が悪いと言われる理由
チワワが「頭が悪い」と言われてしまうのは、その本来の性格や特徴が原因で、特定の問題行動を起こしやすいためです。
決して知能が低いわけではありません。
主な理由として、以下の3つが挙げられます。
1. 警戒心と臆病さからくる「吠え癖」
チワワは体が小さいため、自分自身や飼い主を守ろうとする本能が強く働きます。
このため、見知らぬ人や物音、他の犬に対して過剰に警戒し、吠え立てることがあります。
この「よく吠える」という行動が、「言うことを聞かない」「しつけができていない」といった印象を与え、「頭が悪い」という誤解につながるのです。
2. 恐怖心からくる「噛み癖」
前述の通り、臆病な性格から恐怖を感じやすく、自分の身を守るための最終手段として噛みついてしまうことがあります。
例えば、急に触られたり、びっくりさせられたりした際に、防衛本能から攻撃的な行動をとることがあります。
これもまた、しつけの失敗と見なされがちな行動です。
3. 賢さゆえの「わがまま」
チワワはとても賢く、飼い主の行動をよく観察しています。
そのため、その可愛らしさから甘やかされて育つと、「吠えれば要求が通る」「言うことを聞かなくても許される」と学習してしまいます。
この結果、飼い主の指示を無視するようになり、わがままな犬というレッテルを貼られてしまうのです。
ポイント
これらの行動は、チワワの知能が低いからではなく、臆病さや警戒心といった性格、そして不十分なしつけや社会化不足が根本的な原因です。
正しい知識を持って接すれば、これらの問題行動は十分に改善できます。
チワワは実は賢い犬種

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「頭が悪い」というイメージとは裏腹に、チワワは非常に賢く、学習能力の高い犬種です。
飼い主への愛情が非常に深く、献身的な性格をしているため、信頼関係をしっかりと築くことでその賢さを存分に発揮します。
チワワの賢さを示す最も有名な例として、警察犬として活躍した実績があります。
2010年、奈良県警の嘱託警察犬審査会に、ロングコートチワワの「桃ちゃん」が合格し、日本で初めてチワワの警察犬が誕生しました。
嘱託警察犬としての活躍
桃ちゃんは、その小さな体と鋭い嗅覚を活かし、災害救助や捜索活動での活躍が期待されました。
ジャーマン・シェパードのような大型犬では入れない狭い場所での捜査など、小型犬ならではの能力を示したのです。
この事実は、チワワが十分な訓練能力と高い知能を持っていることの何よりの証明と言えるでしょう。
また、チワワは飼い主の表情や声のトーンを敏感に読み取る能力にも長けています。
飼い主が何を求めているのか、どう感じているのかを理解しようと努めるため、コミュニケーションが取りやすい犬種でもあります。
警察犬になれるなんて、すごいですよね!
チワワはただ可愛いだけでなく、やるときはやる、賢いパートナーなんです。
チワワの知能レベルはどれくらい?
犬の知能を測る有名な指標として、カナダの心理学者スタンレー・コレン博士が提唱したランキングがあります。
この研究によると、チワワは138犬種中67位にランクインしており、「平均的な作業・服従知能を持つ犬」のグループに分類されています。
しかし、このランキングは「人間の命令にどれだけ早く、正確に従うか」という一点に特化した評価であり、犬の賢さの全てを示すものではありません。
犬の知能は、大きく分けて以下の3つの側面から評価されます。
| 知能の種類 | 内容 |
|---|---|
| 本能的知能 (Instinctive Intelligence) | 犬種が本来持つ能力。牧羊、狩猟、護衛など、犬種ごとにプログラムされた知能。 |
| 適応的知能 (Adaptive Intelligence) | 過去の経験から学び、新しい問題に対処する能力。環境への適応力。 |
| 作業・服従知能 (Working & Obedience Intelligence) | 人間から教えられたことを学び、指示に従う能力。コレン博士のランキングはこの知能を評価したもの。 |
この分類で考えると、チワワは「作業・服従知能」は平均的ですが、飼い主との生活の中で状況を判断し、問題を解決する「適応的知能」は非常に高いと言えます。
例えば、どうすればオヤツがもらえるか、どうすれば構ってもらえるかを学習する能力に長けています。
これは、チワワが愛玩犬として人間のパートナーであり続けるために発達させた、生きるための賢さなのです。
賢さにつながるチワワの性格

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チワワが持つ特有の性格は、その賢さと密接に関わっています。
一見すると短所に見える性格も、見方を変えれば賢さの裏返しであることがあります。
飼い主への深い愛情と忠誠心
チワワは、心を許した飼い主に対して非常に献身的です。
この「飼い主を喜ばせたい」という強い気持ちが、しつけやトレーニングにおける高い学習意欲につながります。
信頼関係が深まるほど、チワワは飼い主の期待に応えようと努力し、その賢さを発揮してくれるでしょう。
警戒心の強さ
前述の通り、警戒心の強さは無駄吠えの原因にもなりますが、これは番犬としての役割を果たそうとする賢さの表れでもあります。
家族に危険が迫っていると判断した際に、吠えて知らせようとするのは、状況を察知し、行動する知能があるからです。
好奇心旺盛な一面
チワワは非常に好奇心が強く、新しい物事に対して興味津々です。
この好奇心は、新しいコマンドや芸を覚える際の大きな原動力となります。
遊びの中にトレーニングを取り入れることで、楽しみながら多くのことを吸収していくでしょう。
警戒心が強いのも、見方を変えれば飼い主さんを守ろうとする賢さの表れです。
その気持ちを理解して、正しい方向に導いてあげることが大切です。
賢いからこそのチワワの特徴
チワワは賢いがゆえに、それが人間にとって少々厄介な「ずる賢さ」や「頑固さ」として現れることがあります。
これもまた、チワワの知能が高いことの証明と言えます。
例えば、以下のような行動が見られることがあります。
- 状況判断能力:爪切りや病院など、自分にとって嫌なことを察知すると、飼い主が準備を始めた段階で隠れてしまう。
- 記憶力と学習能力:一度怖い思いをした場所や苦手な人を覚えていて、そこを避けようとする。
- 問題解決能力:可愛い顔でおねだりをすれば要求が通る、と学習し、巧みに飼い主をコントロールしようとする。
これらの行動は、チワワが単に指示を待つだけでなく、自ら考えて状況を判断し、自分にとって最適な行動を選択している証拠です。
そのため、チワワのしつけにおいては、賢さを逆手にとられないよう、飼い主が一貫した態度で毅然と接することが非常に重要になります。
チワワの頭の良さを最大限に引き出す育て方

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- 賢く育てるためのしつけのコツ
- 子犬のうちからの社会化が重要
- 賢いチワワを育てる上での注意点
- 健康な体を作る適切な運動量
- 賢さの土台となる食事管理
- まとめ:チワワの頭の良さは飼い主次第
賢く育てるためのしつけのコツ
チワワの賢さを正しく引き出すためには、その性格を理解した上で、効果的なしつけを行うことが不可欠です。
重要なのは、「褒めて伸ばすこと」と「一貫性」です。
褒め方の基本:ポジティブ・レインフォースメント
チワワは臆病な一面があるため、大声で叱りつけたり、体罰を与えたりするしつけは逆効果です。
恐怖心から飼い主を信頼しなくなり、言うことを聞かなくなってしまいます。
基本は、良い行動をした瞬間に褒める「ポジティブ・レインフォースメント(正の強化)」です。
「おすわり」ができた、トイレで成功したなど、望ましい行動をしたら、すぐに「イイコ!」と優しい声で褒め、おやつなどのご褒美をあげましょう。
これを繰り返すことで、「この行動をすると良いことがある」と学習し、自ら進んで行動するようになります。
叱り方の注意点
もちろん、いけないことをした時には叱る必要もあります。
しかし、その際は感情的にならず、短く、低い声で「ダメ」「イケナイ」と一言だけ伝えます。
長々と説教をしても犬は理解できません。
また、叱る時に名前を呼ぶのは避けましょう。
名前と叱られることを結びつけてしまい、名前を呼ばれることに恐怖を感じるようになってしまいます。
家族全員でルールを統一
チワワは賢く、人を見て態度を変えることがあります。
家族の中で、ある人は許し、ある人は叱る、というように対応がバラバラだと、チワワは混乱してしまいます。
トイレの場所、食事のルール、吠えた時の対応など、基本的なしつけのルールは家族全員で共有し、一貫した態度で接することが非常に重要です。
子犬のうちからの社会化が重要

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チワワの「吠え癖」や「噛み癖」といった問題行動の多くは、恐怖心や警戒心から来ています。
これらの問題を未然に防ぎ、落ち着いた賢い成犬に育てるためには、子犬期の「社会化」が最も重要です。
社会化とは、子犬が人間社会の様々な刺激(人、犬、音、場所など)に慣れ、それらを怖いものではないと学習するプロセスです。
特に、生後3週齢から12~16週齢頃までの「社会化期」は、好奇心が恐怖心を上回り、新しいことをスポンジのように吸収するゴールデンタイムです。
社会化期にできること
- 抱っこ散歩:カートやスリングに入れ、外の景色や音に慣れさせる。
- 人との交流:家族以外の人に、優しく撫でてもらったり、おやつをもらったりする。
- 音への順応:掃除機やドライヤー、車の音などを聞かせ、生活音に慣れさせる。
- 他の犬との挨拶:ワクチン接種済みの、穏やかな犬と挨拶させる。(獣医師に相談の上)
この時期に多くのポジティブな経験をさせてあげることで、将来的な恐怖心を大幅に軽減し、どこへ行っても物怖じしない、賢く落ち着いたチワワに育てることができます。
賢いチワワを育てる上での注意点
チワワの賢さを育む過程で、いくつか注意すべき点があります。
特に、その体の小ささに関わる健康管理は重要です。
甘やかしすぎはNG
前述の通り、チワワはその可愛さから甘やかされがちです。
しかし、賢いチワワはすぐにそれを見抜き、飼い主を自分の思い通りに動かそうとします。
要求吠えやわがまま行動が見られた際は、毅然とした態度で応じないことが大切です。
飼い主がリーダーであることをしっかりと示しましょう。
怪我に細心の注意を払う
チワワは骨が細く華奢なため、骨折や膝の皿が外れる「膝蓋骨脱臼(パテラ)」を起こしやすい犬種です。
日常生活での注意点
- ソファやベッドなど、高い場所からの飛び降りをさせない(スロープを設置する)。
- フローリングなどの滑りやすい床には、カーペットやマットを敷く。
- 抱っこしている時に落とさないよう、しっかりと支える。
怪我の痛みは犬にとって大きなストレスとなり、学習能力の低下にもつながります。安全な生活環境を整えてあげましょう。
低血糖症への配慮
特に体の小さい子犬や食の細い子は、空腹状態が続くと血糖値が下がりすぎてぐったりしてしまう「低血糖症」を起こすことがあります。
食事の回数を分け、長時間空腹にならないように管理してあげることが重要です。
様子がおかしいと感じたら、すぐに動物病院に連絡しましょう。
健康な体を作る適切な運動量

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賢さを育むためには、心だけでなく体の健康も不可欠です。
適度な運動は、ストレスを発散させ、脳に良い刺激を与え、健康な体を維持するために重要な役割を果たします。
チワワは超小型犬なので長時間の運動は必要ありませんが、運動不足はストレスや問題行動の原因になります。
散歩の目安は、1日に1~2回、それぞれ15分~30分程度で十分です。
散歩は単なる運動だけでなく、外の匂いを嗅いだり、他の犬や人と会ったりする貴重な社会化の機会でもあります。
様々な刺激を受けることで、チワワの心は豊かになり、学習能力も向上します。
雨の日などで散歩に行けない場合は、室内でおもちゃを使ったり、知育トイで遊んであげたりして、エネルギーを発散させてあげましょう。
賢さの土台となる食事管理
日々の食事は、健康な体と賢い脳を作るための基礎となります。
バランスの取れた栄養は、チワワの集中力や学習能力を維持するために欠かせません。
フードは、チワワの年齢や活動量に合った総合栄養食を選びましょう。
ライフステージ(子犬期、成犬期、高齢期)によって必要な栄養バランスは異なります。
パッケージの表示をよく確認し、適切な量を与えることが肥満防止につながります。
注意ポイント
ペットフードの選択は愛犬の健康に直結します。特定のフードが全ての犬に合うわけではありません。
アレルギーや体調に不安がある場合は、自己判断せず、必ずかかりつけの獣医師に相談してください。
ペットフードに関する公的な情報として、環境省がガイドラインを公開しています。
また、チワワは顎が小さく、歯が密集しているため歯周病になりやすい犬種です。
日々の歯磨きや、歯石が付きにくい工夫がされたフードやおやつを取り入れることも、健康維持のために重要です。
まとめ:チワワの頭の良さは飼い主次第

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この記事で解説してきたように、チワワの賢さを引き出すも、見過ごしてしまうも、全ては飼い主の接し方にかかっています。
最後に、重要なポイントをリストで振り返りましょう。
まとめ
- チワワが頭が悪いと言われるのは性格やしつけ不足による誤解
- 実際は警察犬にもなったことがあるほど学習能力の高い犬種
- 犬の知能は命令への服従だけでなく適応能力なども含まれる
- チワワは特に飼い主との生活に適応する知能が高い
- 警戒心や忠誠心といった性格が賢さの表れでもある
- 賢いがゆえにずる賢さや頑固さを見せることもある
- しつけの基本は叱るより褒めて伸ばすこと
- 家族全員でルールを統一し一貫した態度で接する
- 問題行動の予防には子犬期の社会化が最も重要
- 可愛くても甘やかしすぎはわがままの原因になる
- 骨折やパテラなど小型犬特有の怪我に注意する
- 1日30分程度の散歩で心と体の健康を保つ
- 年齢に合ったバランスの良い食事が賢さの土台を作る
- 歯周病予防など日々の健康管理を怠らない
- チワワの頭の良さは飼い主の愛情と正しい知識で開花する
チワワが「頭が悪い」と言われる背景には、臆病さや警戒心といった繊細な性格からくる誤解があること、そして実際は警察犬にもなれるほどの賢さを秘めていることをご理解いただけたかと思います。
この記事で解説した、褒めることを基本としたしつけのコツや、子犬期の社会化の重要性を日々の生活で実践することが、その頭の良さを引き出す鍵となります。
正しい知識と深い愛情をもって接すれば、あなたの愛犬は最高のパートナーに成長してくれるでしょう。
この記事が、あなたとチワワの絆をより一層深める一助となれば幸いです。


