【犬のヘルニア】寝かせ方完全ガイド|回復を助ける姿勢管理と日常ケア

【犬のヘルニア】寝かせ方完全ガイド|回復を助ける姿勢管理と日常ケア

高須商店・イメージ

監修者細峰
監修者細峰
この記事はドッグトレーナーの細峰が監修しています。

こんにちは。高須商店の細峰です。

愛犬がヘルニアと診断され、「家でどうやって寝かせてあげればいいんだろう?」「変に動かしたら悪化するんじゃないか…」と不安でいっぱいになる飼い主さんはとても多いと思います。

私もそういった声をたくさん聞いてきましたし、ヘルニアの犬の寝かせ方については、ちょっとした知識の差が回復のスピードに大きく影響するんだなと感じます。

この記事では、ヘルニアの犬の寝かせ方について、症状グレード別の対応から、側臥位・胸臥位といった具体的な姿勢の作り方、体位変換のタイミング、ケージレストの環境づくり、褥瘡予防のコツ、そして安全な抱き方や日常の禁忌動作まで、幅広くまとめました。

難しい専門用語はなるべく噛み砕いて説明しているので、初めてヘルニアの介護に向き合う方にも読みやすい内容になっていると思います。

「何をすればいいか分からなくて怖い」という気持ちが、「これなら自分でもできる」という安心感に変わるお手伝いができれば嬉しいです。

ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ポイント

  • 症状グレードに応じた寝かせ方の違いと対応のポイント
  • 側臥位・胸臥位・仰臥位それぞれの特徴と注意点
  • 褥瘡予防のための体位変換と安全な抱き方の手順
  • 回復を助けるマット選びとリハビリケアの実践方法

ヘルニアの犬の寝かせ方の基本を理解しよう

まずは「なぜ寝かせ方がそんなに大切なのか」というところから整理していきます。

ヘルニアを発症している犬の脊椎は、ちょっとした姿勢のズレでも神経への刺激が変わってしまうほどデリケートな状態です。

このセクションでは、基本的な姿勢の考え方と、具体的な寝かせ方のバリエーションをまとめました。

症状グレード別に知る安静の大切さ

犬のヘルニアには、神経学的な重症度を示す「グレード」があります。

このグレードによって、寝かせ方への介入のしかたがかなり変わってきます。

ヘルニアのグレード早見表(目安)

グレード 主な状態 寝かせ方の重点
グレード1 痛みのみ・歩行可能 脊椎の過伸展を防ぎ、安静を維持
グレード2 ふらつき・運動失調 転倒防止と中立位のサポート
グレード3 自力歩行不可(立てる) 姿勢の固定と患部の保護
グレード4 完全麻痺(痛覚あり) 褥瘡予防・排泄管理の徹底
グレード5 完全麻痺(痛覚なし) 24時間の体位管理・全身状態の維持

グレード1〜2の段階では、犬は自分で「楽な姿勢」を探せるので、タオルなどで脊椎の直線性をそっと補助してあげる程度でOKです。

ただ、痛みのあまり背中を丸めた「祈りのポーズ」を長時間続けている場合は、脊椎が固まらないよう時折優しく姿勢を整えてあげることが大切です。

グレード3以上になると、犬が自力で体勢を変えようとバタバタ動くことで、二次的な損傷を引き起こすリスクがあります。

バスタオルやクッションを体の両側から挟み込んで、安定した姿勢を保たせてあげましょう。

グレード4・5は特に注意が必要

排尿障害を伴うことが多く、寝かせたままオムツ交換や圧迫排尿ができる環境を整えることも重要になります。

清潔を保てないと、褥瘡(床ずれ)の悪化につながるので、下半身のケアも意識してみてください。

どのグレードの場合でも、治療方針は必ず担当の獣医師にご確認ください。

ここでお伝えする内容はあくまで一般的な目安であり、最終的な判断は専門家にご相談いただくことをおすすめします。

側臥位(横向き寝)が基本のスタイルの理由

側臥位(横向き寝)が基本のスタイルの理由

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ヘルニアを発症した犬に最もおすすめしやすい寝姿勢が、側臥位(横向き寝)です。

胸郭が圧迫されにくいので呼吸が安定しやすく、体圧の分散もコントロールしやすいのが利点です。

ただ、横向きに寝かせるだけでは不十分で、重力で腰が床側に垂れ下がったり、上側の肢の重みで骨盤が捻れたりしやすいんですよね。

これを防ぐために、以下のポイントを意識してみてください。

首の下:頭から肩の隙間を埋める程度の厚みのタオルを置く

腰の下:薄いタオルを差し込み、腰椎が床側に垂れるのを補正する

前後の肢の間:クッションを挟んで骨盤や肩甲骨の捻れを防ぐ

これらの調整を行うことで、首から尾の付け根までが一直線かつ水平に保たれた「中立位」を作ることができます。

この脊椎の中立位こそが、神経へのストレスを最小限にする姿勢の基本です。

うつ伏せ(胸臥位)を選ぶときの注意点

犬がうつ伏せを好む場合や、意識がしっかりしていて周りを観察したがっている場合には、胸臥位を選ぶこともあります。

ただ、うつ伏せは背中を反らせたり逆に丸めすぎたりしやすい姿勢なので、いくつか工夫が必要です。

胸臥位での調整ポイント

  • 胸の下に薄い枕やタオルを敷き、上半身を軽く持ち上げて前肢への負担を軽減する
  • 腹部にも薄いタオルを配置し、脊椎がM字型に湾曲するのを防ぐ
  • 後肢は自然に後方へ伸ばすか、軽く曲げた状態で骨盤を水平に保つ
  • 足が外側に開いてしまう(カエル足)場合は、タオルで左右からサポートする

「カエル足」は股関節に不自然な角度がかかる状態なので、放置しないよう気をつけたいですね。

タオルでそっとサポートしてあげるだけで、かなり改善されることが多いです。

仰向け姿勢はなぜ危険なのか

仰向け姿勢はなぜ危険なのか

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ヘルニアを患っている犬に仰向けは原則として禁忌とされています。

お腹を上にする姿勢は、背骨が過度に伸展し、突出した椎間板がさらに脊髄を強く圧迫してしまう恐れがあるからです。

仰向けが危険な2つの理由

① 背骨が過伸展し、椎間板の突出部が脊髄をさらに圧迫する
② 自力で起き上がろうとする際の「捻り運動」が、病状を劇的に悪化させるきっかけになる

「うちの子、自然に仰向けになってしまうんだけど…」という場合は、クッションやバスタオルで体の両側を囲んで、寝返りを打ちにくくしてあげてください。

強制することなく、自然と安定した姿勢をキープできる環境を作るのがポイントです。

ケージレストで作る安全な安静空間

ヘルニアの治療における「安静」とは、家の中を自由に歩き回らせないことを指します。

そのために活用されるのがケージレストです。

ケージのサイズは「広すぎず、狭すぎず」が鉄則です。

目安としては、鼻先から尾の付け根までの長さの約1.5倍程度の幅があれば、犬が無理なく向きを変えられて、かつ数歩以上歩き回れない程度のサイズになります。

ケージ配置の心理的ケアも大切

ケージ内の生活は犬にとってもストレスになりやすいです。

飼い主の姿が見える場所に置いてあげると安心感が増します。

ただし、テレビの近くやドアの開閉が多い場所など、犬が興奮して立ち上がってしまうような環境は避けてください。

また、食器は首を下げすぎずに済む高さに設置すると、頸椎への負担を減らすことができます。

寝具はケージの内側にしっかりと敷いてあげましょう。

シーツのシワが褥瘡の原因になることもあるので、ピンと張った状態に整えておくひと手間も忘れずに。

ヘルニアの犬の寝かせ方で実践したい日常ケア

ヘルニアの犬の寝かせ方で実践したい日常ケア

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寝かせ方の基本を押さえたら、次は毎日の介護の中で実践できるケアについてです。

体位変換、抱き方、寝具選び、リハビリ、そして再発を防ぐための生活習慣まで、具体的に紹介していきますね。

褥瘡予防に欠かせない体位変換のやり方

自力で姿勢を変えられない犬に同じ部位への圧迫を長時間かけ続けると、皮膚組織が壊死する「褥瘡(じょくそう)」が発生してしまいます。

難しい言葉ですが、要は床ずれのことです。

これを防ぐために、2時間おきの体位変換が基本とされています。

なぜ2時間なのかというと、皮膚の毛細血管が閉塞してから組織ダメージが定着するまでの限界時間がおよそ2時間とされているためです。

それだけでなく、同じ姿勢を続けると下側の肺が十分に膨らまなくなり、低酸素状態や墜積性肺炎のリスクも高まります。

安全な体位変換のステップ

手順

  • 準備:介助者は犬の背中側に回り、両手を体の下に滑り込ませる。一方の手は肩甲骨、もう一方は骨盤を支える
  • 移動:一度、犬の体を手前(介助者側)に引き寄せ、寝床にスペースを作る
  • 回転:背中を丸めないよう体全体を一直線に保ったまま、ゆっくりと反対側へ反転させる。四肢が絡まないよう注意し、必要であれば補助者が足の動きをサポートする
  • 仕上げ:反転後にタオルロールやクッションを配置して中立位を再構築する。シーツのシワも必ず整える

体位変換でやってはいけないこと

急に体を持ち上げたり、背中を軸にして回転させたりすることは絶対に避けてください。

脊椎にかかる剪断力(ねじれの力)が神経へのダメージを招きます。

安全な抱き方と移動時の脊椎保護

安全な抱き方と移動時の脊椎保護

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病院への移動や排泄のために抱え上げる際、抱き方を間違えると一瞬でそれまでの治療努力が台なしになることがあります。

「水平抱っこ」が基本中の基本です。

絶対に避けたいNGな抱き方

縦抱っこ:重力で脊椎に垂直の圧縮力がかかり、椎間板の突出を助長する

脇の下だけで持ち上げる「ぶら下げ抱き」:背中が大きく湾曲して非常に危険

理想的な水平抱っこの手順

動作 推奨される手法 期待される効果
持ち上げ時 胸とお尻を同時に、水平に上げる 脊椎への剪断力を防止
保持時 自分の胸元に密着させ、肘で固定 振動による痛み誘発を軽減
下ろし時 お尻側から、ゆっくり地面に近づける 着地衝撃の分散

抱き上げる際は、犬を驚かせないようにまず優しく声をかけてあげてください。

片方の腕を胸の下に通して前肢の付け根から胸郭を広く支え、もう片方の腕でお尻の下から太ももを包み込むように支えます。

犬の体を自分の胸元にしっかり密着させることで、移動中の揺れを最小限に抑えることができます。

マット・寝具の選び方と体圧分散の考え方

寝具の選択は、犬の体重と症状のステージによって変わります。

「高反発」か「低反発」か、それぞれの特性を理解しておくと選びやすくなります。

マット素材 体圧分散性 通気性 立ち上がりやすさ 適した状態
高反発 回復期・大型犬
低反発 重症麻痺・シニア犬

高反発マットは、強い反発力で体を支えるため寝返りが打ちやすく、立ち上がりの動作もサポートしてくれます。

通気性に優れているので熱がこもりにくいのも利点です。

体重のある中・大型犬や、回復期で自力歩行を目指している犬に向いています。

低反発マットは、体の形に合わせてゆっくり沈み込み、接触面積を増やすことで体圧を分散します。

褥瘡予防には非常に効果的ですが、体が沈み込みすぎてしまうため、立ち上がりにくく熱がこもりやすいという面もあります。

完全に寝たきりの状態や、シニア犬の長期介護に適しています。

どちらが正解ということはなく、症状の段階によって使い分けたり、組み合わせたりするのがおすすめです。

回復段階が進んだら高反発に切り替えるなど、状況に合わせて柔軟に対応してみてください。

リハビリマッサージとPROMで神経の回復を促す

寝かせた姿勢のまま行えるマッサージやリハビリは、神経回路の再構築を促す大切なケアです。

むずかしく考えず、「撫でながら筋肉をほぐす」くらいの気持ちで取り組んでみてください。

マッサージの基本3手技

軽擦法

手のひら全体を使い、毛並みに沿って優しくなでる。

首から背中、腰にかけてゆっくり滑らせることで全身の緊張をほぐす

指圧・揉捏

背骨の左右にある筋肉を、指の腹で小さな円を描くように優しくもみほぐす。

骨を直接押さず、筋肉の弾力を感じる程度の強さで行う

肢端マッサージ

麻痺がある肢の指の間や肉球を刺激する。

指を一本ずつ開かせたり、肉球を優しく押したりすることで末梢神経から脊髄へ刺激を送る

他動的関節運動(PROM)のやり方

関節が固まるのを防ぐため、介助者が足を動かしてあげる運動を、1日2〜3回実施するのが理想です。

横向きに寝かせた状態で、後ろ足を優しく持ち、股関節・膝・足首を連動させて「自転車を漕ぐような動作」をゆっくりと行います。

1本の足を約20回、左右両方実施してください。

足を無理に引っ張ったり、背中が大きく動くほど強く動かしたりしてはいけません。

あくまで「関節の可動域を維持する」ことが目的です。

急性期(発症直後)は冷却が炎症の拡散を抑えるのに有効です。

保冷剤を厚手のタオルで包んで患部に15〜20分当ててください。

慢性期に入ったら蒸しタオルなどで温めることで血流が改善し、凝り固まった筋肉を柔軟にする効果があります。

直接肌に当てることは避けてくださいね。

再発させない!日常の禁忌動作と生活習慣の改善

再発させない!日常の禁忌動作と生活習慣の改善

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治療や介護が順調に進んでも、日常生活の中に潜むリスクを取り除かないと再発してしまう可能性があります。

以下の点を意識して、生活環境を少しずつ整えていきましょう。

物理的な負荷を排除する

階段・段差の上り下り

脊椎に衝撃が加わるため原則禁止。

移動が必要な場合は必ず抱きかかえる。

ソファやベッドへの飛び乗り・飛び降り

着地時に体重の数倍の負荷が脊椎にかかる。

スロープを設置するか家具を低くするなどの工夫を。

二本足立ち(おねだりポーズ)

腰椎に過度の負荷が集中するため厳禁。

見つけたらすぐに四本足の状態に誘導する。

フローリングでの滑走

ワックスの効いた床での踏ん張りは脊椎周辺の筋肉に異常な緊張を与える。

タイルカーペットや防滑マットの導入を検討する。

生活習慣を少しずつ改善する

首輪からハーネスへ切り替える

首のヘルニア(頸部ヘルニア)では、首輪が神経圧迫を直接悪化させることがある。

体全体を支えるタイプのハーネスが推奨される。

激しい遊びを控える

ボール投げや引っ張りっこは急停止・急旋回を伴うため、回復後もしばらくは控えた方が無難。

体重管理を徹底する

肥満は脊椎に常時負荷をかけ続ける状態に等しい。

適正体重の維持は最良の再発予防策。

費用面の目安(あくまで参考値)

ヘルニアの治療費は、内科的治療か外科的治療かによって大きく異なります。

以下は一般的な概算目安であり、地域や病院によって差があります。

正確な費用は必ずかかりつけの獣医師にご確認ください。

項目 概算費用(目安)
初診・レントゲン・血液検査 1万〜3万円
MRI・CT検査(麻酔含む) 10万〜15万円
外科手術(椎弓切除術など) 20万〜30万円
入院・看護(5〜7日程度) 5万〜10万円
内科治療(薬・レーザー治療など) 5万〜12万円(期間による)

ヘルニアの犬の寝かせ方を知ることが回復への第一歩

ここまで、ヘルニアの犬の寝かせ方について、基本的な姿勢管理から日々のケア、生活環境の改善までを幅広くお伝えしてきました。

この記事でお伝えしてきたことのポイントをおさらいすると、脊椎を「中立位」に保つこと、症状のグレードに応じて介入の度合いを調整すること、2時間おきに体位変換を行うこと、水平抱っこを徹底すること、そして日常の禁忌動作を排除すること、これらが、家庭でできる最も強力なリハビリテーションの第一歩になります。

愛犬は自分の痛みを言葉で伝えることができません。

だからこそ、飼い主さんが提供する安定した寝床と細やかな姿勢管理が、回復の可能性を大きく左右するのだと感じています。

少しでもこの記事がお役に立てたなら嬉しいです。愛犬の回復を心から応援しています。

あおり運転や迷惑運転の被害から身を守るためのお守り

最後に、私たち高須商店から貴方にひとつ提案をさせてください。

私たち高須商店は、交通事故による動物の事故被害をなくしたい思いから始まりました。

私たちが暮らす地域は田舎なので車が無いと何かと不便になる場所で、車に乗っていると色々なことが起こります。

これは今に始まったことではありませんが、こちらをあおるように走る後続車に遭遇してしまうこともあります。

そんなことを起こさせないための対策の一つとしてこのマグネットステッカーを紹介させてください。

後続車へ『ドライブレコーダーを搭載しています』というメッセージを伝えることで、あおり運転や迷惑運転の被害を未然に防ぐことが狙いです。

実際にドライブレコーダーが付いていなくても、このマグネットステッカーを貼っておくことで、被害を防ぐ効果は十分期待できます。

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興味がある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

監修者細峰
監修者細峰
最後までお読みいただきありがとうございました!

このサイトの監修者について

ここでお伝えした内容はあくまで一般的な目安であり、個々の状態によって最適なアプローチは異なります。

専門家のサポートと飼い主さんによる日常ケアを両輪として、愛犬の回復を根気強く支えてあげてくださいね。

また、最終的な治療方針は、必ず担当の獣医師と相談の上で決めてください。

 

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